1.かけ算の仕組み
かけ算は,次のように計算すると,どんな教科書にも書いてあります。
乗法(かけ算)の手順
ステップ1.2つの数の絶対値でかけ算を行う
(絶対値の積は当然,正の数)
ステップ2.答えの符号を決める
- 2数が同符号なら,答えは正
(正の数)×(正の数) → (正の数)
(負の数)×(負の数) → (正の数) - 2数が異符号なら,答えは負
(正の数)×(負の数) → (負の数)
(負の数)×(正の数) → (負の数)
🤔でも,どうしてこのように計算されるのでしょうか?
それは,このあとすぐに学ぶ,
分配法則(分配のきまり)という計算の基本法則を成り立たせるため
なのです。
具体例で説明していきましょう。
なぜ負の数どうしの積が正の数になるのか(ちょっと難しい…💦)
1. 「答えが0になる式」を用意する
まず,次の式を見てください。
\[-2 \times \{3 + (-3)\} = \color{red}{0}\]
中カッコ{ }の中は $3-3 = 0$ なので,何をかけても答えは $0$ です。
2. 分配法則で「バラバラ」にする
次に,この式を分配法則(分配のきまり)でバラバラにします。
\[(-2 \times 3) + \{-2 \times (-3)\} = 0\]
3. 分かっているところだけ計算する
左側の $(-2 \times 3)$ は「$-2$(2の借金)が3倍」という意味なので,答えは $-6$ です。
\[-6 + \{-2 \times (-3)\} = 0\]
4. 結論:分配法則を成り立たせるための「必然」
さて,上の式を成立させるためには,$\{-2 \times (-3)\}$ はいくつでなければならないでしょうか?
「$-6$ に足して $0$ になる数」は,世界に1つ,$+6$ しかありません。
つまり,
\[-2 \times (-3) = 6\]
でないと,数学のルールが壊れてしまうのです。

2.数直線でイメージ
計算のルール(分配法則)を守ると,答えは $+6$ になりました。
この結果を,今度は数直線を使ってイメージしてみましょう。
数直線では,マイナスをかけるとき
向きを180度パタンと裏返す
と考えます。
●正の数を掛ける
例えば,ある数Aに,正の数3を掛ける計算であるA×3の場合,数直線を用いて次のように計算します。
正の数を掛けるときの手順
数直線で,原点OからAまでの距離と向きを調べる。
(距離は常に0以上,向きは右なら正,左なら負)
→Aと同じ向きに,原点からAまでの距離の3倍進む。
→止まったところの数が答え。


例1 (-2)×3
数直線で,原点から-2までは,距離が2で左向き。
→この向きのまま,距離を3倍(2×3=6)にして進む。
→止まった場所は −6。

答えは -6
(-2)×3の具体例
- 1日に気温が2℃ずつ下がります。3日後,気温は何℃変わっていますか?
こたえ:6℃下がっている(計算結果:−6℃) - 1日にあめを2個ずつ食べます。3日で何個減っていますか?
こたえ:6個減っている(計算結果:−6個)
例2 (-2)×0.5
数直線で,原点から-2までは,距離が2で左向き。
→この向きのまま,距離を0.5倍(2×0.5=1)にして進む。
→止まった場所は −1。

答えは -1
(-2)×0.5の具体例
- 水槽の水が1日に2cmずつ減ります。半日後、何cm減っていますか?
こたえ:1cm減っている
(計算結果:−1cm) - ゲームで体力が1時間に2ポイント減ります。30分後、何ポイント減っていますか?
こたえ:1ポイント減っている
(計算結果:−1ポイント)
●負の数を掛ける
例えば,ある数Aに負の数-3を掛ける計算であるA×(-3)の場合,数直線を用いて次のように計算します。
負の数を掛けるときの手順
数直線で,原点からAまでの距離と向きを調べる。
→Aの向きと逆向きに,原点からAまでの距離の3倍進む。
→止まったところの数が答え。
このように,負の数を掛けるということは,加法や減法のときがそうであったように,
向きが逆転する
と理解しておくと間違いがありません。
ポイント負の数を掛ける → 進む向きが逆転
例3 2×(-3)
数直線上で,原点から2までは,距離が2で右向き。
→逆の左向きに,距離を3倍(2×3=6)にして進む。
→止まった場所は −6。

答えは -6
2×(-3)の具体例
- 東向きに毎秒2mで歩く人がいます。3秒前は、現在地から見てどこにいましたか?
こたえ 西に6mの地点
(計算結果:−6m) - 植物が毎日2mmずつ伸びます。3日前は現在と比べて何mm長かったですか?
こたえ 6mm短かった。
(計算結果:−6mm)
例4 (-2)×(-3)
数直線上で,原点からの-2までは,距離が2で左向き。
→逆の右向きに,距離を3倍(2×3=6)にして進む。
→止まった場所は 6。

答えは 6
(-2)×(-3)の具体例
- 1日に温度が2℃ずつ低くなっていきます。3日前の温度は,現在と比べてどうでしたか。
こたえ 6℃高い - 1日にあめを2個ずつ食べます。3日前の個数は,現在と比べてどうでしたか
こたえ 6個多い
