1.平面図形:中学1年数学ーオリジナル基礎教科書
中学数学[総目次]
中学1年数学 5章 平面図形
| 級 | 検定 | 教科書 |
|---|---|---|
| 3級:平面図形の基礎と3つの移動 | ||
| 2級:垂直二等分線・角の二等分線など6つの基本技法 | ||
| 1級:円の基本:弧・弦・接線の意味と公式 |

1. 平面上の直線
直線・線分・半直線とは
直線とは?
限りなく伸びた,まっすぐな線のことを 直線 といいます。
異なる2点A,Bが与えられると,その2点を通る直線はただ1つに決まります。この直線を,直線AB と表します。
線分(せんぶん)とは?
直線ABについて,2点A,Bを両端とする部分を 線分AB と表します。
半直線(はんちょくせん)とは?
- 直線ABの,点Aを端とし,B の方向へ限りなく伸びる部分を 半直線 AB と表します。
- 直線ABの,点Bを端とし,A の方向へ限りなく伸びる部分を 半直線 BA と表します。
この表現からわかるように,「半直線〇△」という表現は,〇の点から△の点に向けて伸びる線という意味です。つまり,〇がスタート地点ということになります。
直線・線分・半直線

2直線の位置関係
平面上に異なる2つの直線 $\ell,\ m$ があるとき,$\ell$ と $m$ の位置関係は,次の2つのいずれかです。
1° 交わる

2° 交わらない

2直線が交わるとき,その交わる点を交点(こうてん)といいます。
※直線は英語でline(ライン)というので,しばしば $\ell$ の文字が使われます。$m$ の方は,アルファベット順で $\ell$ の次だから使われているにすぎません。数学では,図形にいろいろなアルファベットを使って名前を付けますが,絶対にこの文字でなければならないということはまずありません。
2直線AB,CDが垂直に交わるとき,「AB⊥CD」で表し,「AB垂直CD」と読みます。

ついでに,線分ABと線分CDも垂直です。線分ABと線分CDが離れていて交わらなくても,それぞれを直線に延長したときに垂直であれば,線分ABと線分CDは垂直であるといいます。
垂直な2直線の一方を,他方の垂線(すいせん)といいます。ABはCDの垂線であり,CDはABの垂線です。
また,2直線が交わらないとき,「AB//CD」と表し,「AB平行CD」と読みます。直線に $\color{red}>$ や $\color{red}{>\!\!>}$ の記号をかくことがあります。

距離
●点と点の距離
2点A,Bについて,線分ABの長さを,2点A,B間の距離といいます。
つまり,2点間の最短の長さという意味ですね。
例えば,2点A,B間の距離が5cmのとき,AB=5cmというように表します。このときの「AB」は「線分 AB の長さ」を意味しています。
「線分ABの長さが5cm」$\iff$「AB=5cm」
●点と直線の距離
直線 $\ell$ と,$\ell$ 上にない点Pについて,Pから $\ell$ に垂線を引き,$\ell$ との交点をQとします。このとき,Qを垂線の足(あし)といいます。

また,線分PQの長さを,点Pと直線 $\ell$ の距離といいます。
●直線と直線の距離
平行な2直線 $\ell,\ m$ について,$\ell$ 上のどこに点Pをとっても,Pと$\ell$ の距離は一定です。

この一定の距離を,平行な2直線 $\ell,\ m$ の距離といいます。
角
半直線OA,OBを引くと,図のように角ができます。

この角を,∠の記号を用いて∠AOB,または∠BOAと表します。
また,簡単に∠Oや,$\angle a$ と表すこともあります。
角の大きさが60°のときは,∠AOB=60°といった表現もよく使われます。このときの「∠AOB」は,「∠AOBの大きさ」を意味しています。
Oを頂点,半直線OA,OBを辺といいます。
補足
∠AOBと書いたとき,次の2つの角が考えられますが,通常は小さい方を指していると考えて差し支えありません。

大きい方(紫色)の
2つが考えられますが,
通常小さい方を指します。

2. 図形の移動
図形の形や大きさを変えずに,ほかの位置に動かすことを移動といいます。
中学校では,①平行移動,②回転移動,③対称移動の3つを学びます。
①平行移動
図形を,一定の方向に,一定の距離だけずらすことを平行移動といいます。

性質
- 対応する点を結んでできる線分はすべて平行。
$\rm AA’\ //\ BB’\ //\ CC’$ - 対応する点を結んでできる線分の長さは等しい。
$\rm AA’=BB’=CC’$
②回転移動
図形を,ある点を中心として一定の角度だけ回すことを,回転移動といいます。このとき,中心とした点を,回転の中心といいます。

特に,180°の回転移動を点対称移動といいます。
性質
- 対応する点は回転の中心からの距離が等しい。
$\rm OA=OA’,\ OB=OB’,\ OC=OC’$ - 対応する点と回転の中心を結ぶ線でできる角の大きさは等しい。
$\rm \angle AOA’=\angle BOB’=\angle COC’$
※点対称移動は名前に「対称」とありますが,中学校の分類では次に示す対称移動ではなく,回転移動の特別な場合として扱われます。
③対称移動
図形を,ある直線を折り目として,折り返した位置に移すことを,対称移動といいます。このとき,折り目とした直線を対称の軸といいます。

性質
- 対応する2点を結ぶ線分は,対称の軸と垂直に交わる。
$\rm AA’\perp\ell,\ \ BB’\perp\ell,\ \ CC’\perp\ell$ - 対応する2点を結ぶ線分は,対称の軸で2等分される。
$\rm AP=A’P,\ BQ=B’Q,\ CR=C’R$
垂直二等分線という線
線分を2等分する点を,中点(ちゅうてん)といいます。中点を通る垂線を,その線分の垂直二等分線といいます。
対称移動において,対称の軸は,対応する2点を結ぶ線分の垂直二等分線となっています。

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