6.空間図形:中学1年数学ーオリジナル基礎教科書

中学数学[総目次]

中学1年数学 6章 空間図形

空間図形検定

2級:空間図形の基礎
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1級:立体の体積と表面積
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1. いろいろな立体

次の図のような,先のとがった立体を錐体(すいたい)といいます。

底の面を底面(ていめん)といいます。上の3つの図では色がついている面のことです。

底面の形によって,次のように呼びます。底面がどのような形をしているかによって名前が決まります。

  • $n$ 角形のとき → $n$ 角錐
  • 円のとき → 円錐

補足

底面が正三角形のときや、正方形などの正多角形で,側面が合同な二等辺三角形の場合,特別に正三角錐(せいさんかくすい),正四角錐(せいしかくすい)などといいます。

いくつかの平面で囲まれた立体を多面体(ためんたい)といいます。

面の数が $n$ のとき,$n$ 面体といいます。

それらのなかで重要なのが,次の正多面体です。

🔹正多面体とは?

すべての面が合同な正多角形でできている多面体を正多面体(せいためんたい)といいます。

正多面体は次の5つしかありません

🔹正多面体の性質

頂点の数,面の数,辺の数を表でまとめると次のようになります。

正四面体 正六面体 正八面体 正十二面体 正二十面体
頂点の数 4 8 6 20 12
面の数 4 6 8 12 20
辺の数 6 12 12 30 30

補足(正多面体の親戚関係)

  • 正六面体の6つの面の中心を結ぶと,正八面体が現れます。
  • 正八面体の8つの面の中心を結ぶと,正六面体が現れます。

つまり

  • 正六面体の頂点は,正八面体の面の数だけある
  • 正八面体の頂点は,正六面体の面の数だけある

ということです。

これと全く同じ関係が,正十二面体と正二十面体の間にもあります。次の表で,色分けされたところを確認してください。

2. 空間における平面と直線

空間内にある3点について,3つとも同じ直線上にある場合を除いて,その3点を含む平面はただ1つです。

平面ABC

このとき,3点A,B,Cを含む平面を,平面ABCと表すことがあります。

ポイント

空間内で3点が与えられると,その3点を通る平面がただ1つ定まる

※ただし,3点がすべて同じ直線上にある場合を除く

念のための注意

  • 2点A,Bを通る平面は?と聞かれても,そのような平面は無数にあり,1つに定まりません。
  • 3点A,B,Cのほかに,点Dがあるとすると,この点Dは平面ABC上にある場合もあれば,ない場合もあります。

1つの平面上にある,2本の直線の位置関係は

①1点で交わる ②交わらない(平行)

のどちらかですが,

空間内では

平行ではないが,交わらない

という3番目の位置関係が存在します。

平行でない,かつ交わらない

これをねじれの位置といいます。

まとめ

空間内の2直線の位置関係

  • 1点で交わる
  • 平行である
  • ねじれの位置にある(←平面のときから新たに追加)

例題 次の内容は正しいですか。正しくないですか。

「空間内の異なる3つの直線 $\ell,\ m,\ n$ について,$\ell\perp m$,$\ell\perp n$ ならば,$m\, /\!/\,n$ である。」

こたえ

ポイント

このような問題では,次のように立方体や直方体を使って考えるのがポイントです。

$\ell,\ m,\ n$ を図のようにとると,$\ell\perp m$,$\ell\perp n$ です。

ところが $m$ と $n$ はねじれの位置にあり,$m\, /\!/\,n$ ではありません。

答え 正しくない

補足

数学では,たまたま合っているだけでは「正しい」とは言いません。
どんな場合でも,いつでも成り立つときにだけ,その主張は正しいと言います。

つまり,1つでも合っていないケースがあれば,その主張は「正しくない」となるのです。

空間内における,直線 $\ell$ と平面 $P$ の位置関係は,次の3つがあります。

🔹直線と平面が平行であるとは

直線 $\ell$ と平面 $P$ が交わらない[3]のようなケースを,$\ell$ と $P$ は平行であるといい,

$\ell$ // $P$

で表します。

🔹直線が平面に垂直であるとは

直線と平面の交点を $O$ とします。$O$ を通る平面上のすべての直線と $\ell$ が垂直であるとき,直線 $\ell$ と平面 $P$ は垂直であるといい,

$\ell$ ⊥ $P$

で表します。また,直線 $\ell$ を平面 $P$ の垂線といいます。

$\ell\perp P$ とは
平面上のどんな直線とも $\ell$ は垂直
🔍 直線と平面が垂直かどうかの判定方法

直線と平面が垂直であるかどうかチェックするには,平面上の $O$ を通る2本の直線と $\ell$ が垂直であることをチェックするだけで十分です。たった2本です。しかも,どんな2本でも構いません。
これは図のように,三角定規を2つ用意し,直角部分をくっつけることで,直線と平面の位置関係が決定されることからわかります。

平面上の2直線の選び方は自由!

点Aから平面 $P$ に下した垂線の足をHとすると,線分AHの長さを,点Aと平面 $P$ の距離といいます。

角錐や円錐では,頂点と底面との距離が,その立体の高さとなります。

異なる2つの平面 $P$,$Q$ の位置関係は次の2つがあります:

[1] 交わる

[2] 交わらない

[2] の場合,平面 $P$ と $Q$ は平行であるといい,

$P$ // $Q$

で表します。

次は,立体の切断を考えるうえで,極めて重要な視点となります。

重要

平行な2平面に,それらとは平行ではない平面が交わってできる2本の交線は平行である。

赤色の2つの直線 $\ell,\ m$ は平行
🔹2つの平面が垂直であるとは

平面 $P$ と,この平面に垂直な直線 $\ell$ があるとします。平面 $Q$ が $\ell$ を含むとき,2つの平面 $P$ と $Q$ は垂直であるといい,

$P\perp Q$

で表します。

🔹平行な2平面の距離

2つの平面 $P$ と $Q$ について, $P$ // $Q$ のとき,$P$ 上のどこに点Aをとっても,Aと $Q$ の距離は一定です。この距離を,平行な2平面 $P$ ,$Q$ の距離といいます。

3. 立体のいろいろな見方

ある平面図形を,その平面上にある直線 $\ell$ の周りに1回転させてできる立体を回転体といい,$\ell$ を回転の軸といいます。

  • 長方形ABCDを,直線CDを回転の軸とした回転体
    → 円柱

  • 直角三角形ABCを,直線ACを回転の軸とした回転体
    → 円錐

このとき,辺ABのような,回転して円柱や円錐の側面となる辺を,母線(ぼせん)といいます。

多面体を,1つの平面で切断した切り口を考えてみましょう。

このときの基本となる考え方が,次の3つです。

ポイント

[1] 平行な2面にできる交線は平行

赤色の2つの直線 $\ell,\ m$ は平行

[2] 1つの面にできる交線は,あっても1本

 より詳しく
  • 例えば,立方体に七角形や,八角形の切り口を作ることはできません!立方体は6面しかないからです。

[3] 交線は,1つの平面上では折れ曲がらない

 より詳しく
  • 例えば,立方体を3点A,B,Cを通る平面で切ったときの切り口として,下のような図はあり得ません。

例題 立方体において,図の3点A,B,Cを通る平面で切断したときの切り口をかきなさい。

こたえ

考え方①

上の面と下の面が平行
→ 下の面に,頂点Cから,線分ABと平行な線を引く

空間図形検定【2級】 の中では,アニメーションを用いてわかりやすく説明しています。


考え方②

赤色の線を延長
→ 半直線BCと赤色の線の交点をとる
→ その点と頂点Aを結ぶ

空間図形検定【2級】 の中では,アニメーションを用いてわかりやすく説明しています。

円柱を例にとりましょう。

真正面から見ると長方形です。また真上から見ると円です。

このように立体を正面から見た図を立面図(りつめんず),真上から見た図を平面図(へいめんず)といいます。これらをまとめて投影図(とうえいず)といいます。

いくつかの例

  • 正四角錐

  • 三角柱

補足

投影図には、側面方向から見た側面図も考えることがあります。

例えば次の3つの立体は,立面図と平面図が同じなので,立面図と平面図の2つから元の立体を完全には復元できません。

多面体を,辺に沿って切り開き,1つの平面上に広げた図を展開図といいます。

例1 円柱


例2 円錐


展開図で重要なものは,何と言っても正多面体の展開図で,その中でもとりわけ正六面体,正八面体の展開図は,出題される率がピカイチです。

次の展開図の性質は,とても重要です。

正多面体の展開図の性質

[1] なす角が最小の2辺は,組み立てたとき重なる

[2] 重なる2辺の,その隣りどうしの辺も重なる
   ※ただし,2面で共有するのは1本のみ

[3] [1]で重なる2辺がくっつくように,展開図の一部を移動してもよい

例1 立方体の展開図の例

この赤色の線の引き方を,空間図形検定【2級】 の中では,アニメーションを用いてわかりやすく説明しています。


例2 正八面体の展開図の例

この赤色の線の引き方を,空間図形検定【2級】 の中では,アニメーションを用いてわかりやすく説明しています。

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