1.式の計算:中学2年数学―オリジナル基礎教科書

中学数学[総目次]

中学2年数学 1章 式の計算

式の計算検定

2級:単項式・多項式のさまざまな計算方法
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1級:文字式の利用と等式の変形
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1.文字式の利用

負の数や0を含めた整数全体は,偶数奇数の2つのグループに分けることができます。

🔹偶数

\[\cdots,\ -4,\ -2,\ 0,\ 2,\ 4,\ \cdots\]

のように,

2×(整数)

の形に書ける数を,偶数といいます。

上の例は

\[\cdots,\ \color{red}{2\times}(-2),\ \color{red}{2\times}(-1),\ \color{red}{2\times}0,\ \color{red}{2\times}1,\ \color{red}{2\times}2,\ \cdots\]

と書けますね。

負の偶数は中学校からの登場です。

ところで,偶数を表すのにいちいち「2×(整数)」なんて書いていると手が疲れますよね💦

そんなとき数学では $m$ を整数として

\[2m\]

と表すことができます。

文字は $m$ や $n$ や $k$ などがよく使われますが,その文字が「整数だよ」と宣言してしまえば,なんでもOKです!(が,数学ではそれぞれの文脈でよく用いられる文字がある程度決まっているのも事実です。)

念のための注意

0も偶数です!

🔹奇数

\[\cdots,\ -3,\ -1,\ 1,\ 3,\ 5,\ \cdots\]

これらの奇数は,$-4,\ -2,\ 0,\ 2,\ 4$ といった偶数に,それぞれ1を足した数です。

負の奇数は,中学校からの登場です。

偶数は $2m$ と表せましたから,奇数は

\[2m+1\]

と表すことができます。

他にも

\[2m-1\]

という表現もよく使われます。

$2m+1$ と $2m-1$ では,$m$ の値によって表す数が異なりますが,「$m$ を適切に選ぶことによって,どんな奇数も表すことができる」ということはどちらも同じです。

例題1

(1) $2m+1$ で奇数 1,3,5 を表すとき,$m$ の値をそれぞれ求めなさい。

(2) $2m-1$ で奇数 1,3,5 を表すとき,$m$ の値をそれぞれ求めなさい。

こたえ

(1) $2m+1=1$ のとき,$m=0$
  $2m+1=3$ のとき,$m=1$
  $2m+1=5$ のとき,$m=2$

(2) $2m-1=1$ のとき,$m=1$
  $2m-1=3$ のとき,$m=2$
  $2m-1=5$ のとき,$m=3$

例題2

奇数と奇数の和は偶数になります。そのわけを,文字を用いて説明しなさい。

🤔疑問

「1+3=4,3+5=8,-1+3=2,… そんなこと当たり前じゃないのかな?」

そうなんです,当たり前ですね。どんな2つの奇数を足しても偶数です。

でも!!

ここが算数とのちがい

数学では

  • どんなに当たり前と思えることでも
  • へそ曲がりの人が文句を言ってきても

「それはこうだからです!」とビシッと式で説明しなければなりません。

例えば,

へそ曲がりの人「確かに1+3や3+5は偶数だけど,奇数は無数にあるんだから,1組くらい和が偶数にならないものもあるんじゃないの?」

と聞いてきたらどう答えますか?

確かに,奇数は無数にあります。いくら時間があっても,全部調べ上げることなんてできません。

そこで,文字式の登場です!


ワンポイント

文字式を使えば,無数にある奇数を調べたことと同じような意味になる


こたえ

2つの奇数は,$m,\ n$ を整数として

$2m+1,\ 2n+1$ ← ここがポイント

と表せます。

こうすることで,個別に2つの奇数の和を計算するのではなく,$m$ と $n$ の値に応じたあらゆる2つの奇数の和を計算していることになるのです。

$2m+1$ で,どんな奇数も表現できたことを思い出してください!

これらの和は

\[\begin{align*} (2m+1)+(2n+1)&=2m+2n+2\\[5pt] &=2(m+n+1) \end{align*}\]

文字式で計算すると,(奇数)+(奇数)は

\[2\times(m+n+1)\]

となりました。

さて,この数は偶数でしょうか?

偶数は

2×(整数)

という形で表される数です。2に何かをかけるといっても

\[2\times\dfrac13\]

では偶数になりません。

2とかけられる数が整数でなければ,その数を偶数という訳にはいきません。

ここで2とかけられている数は

\[m+n+1\]

です。

仮定より,$m$ も $n$ も整数でしたから,$m+n+1$ は整数です。

従って,$2(m+n+1)$ は偶数であることがわかりました。

つまり,

(奇数)+(奇数)=(偶数)

ということが,これで示されたことになります。

テストで出題されたときの答案の書き方

2つの奇数は,$m,\ n$ を整数として

$2m+1,\ 2n+1$

と表される。これらの和は

\[\begin{align*} (2m+1)+(2n+1)&=2m+2n+2\\[5pt] &=2(m+n+1) \end{align*}\]

$m+n+1$ は整数だから,$2(m+n+1)$ は偶数である。

従って,奇数と奇数の和は偶数である。

このように書けば,満点がもらえます!

語尾は「です」「ます」ではなく,「である」など,ちょっとかたい書き方にします。

発展的補足

答案で,2つの奇数を $2m+1$ と $2n+1$ で区別しました。

これは2つの奇数が異なっている場合だけでなく,同じ場合($m=n$ の場合)も含まれています。

つまり,スキのない完璧な答案だということです!

例題3 2桁の自然数と,その十の位と一の位を入れかえてできる自然数との和は,いつでも11の倍数となります。そのわけを,文字式を使って説明しなさい。ただし,例えば最初の自然数が20のとき,位を入れかえて作った02は,単に2を表すものとします。

目標

11の倍数になることを示したい

→ $11\times$(整数)の形になることを示す

考え方

ポイント

 各位の数が,何を表しているかに注目!

例: 23

  23の2 → 10が2個

  23の3 → 1が3個

つまり,

\[23=10\times 2+1\times3\]

一般に,十の位,一の位の数が,それぞれ $a,\ b$ であるとします。

この自然数を文字式で表すと

\[10a+b\]

となります。

すると,各位の数を入れかえてできる自然数は

\[10b+a\]

と表せますね。

こたえ

元の自然数の十の位の数を $a$,一の位の数を $b$ とする

ワンポイント

数学では,$a,\ b$ などの文字は,宣言してから使う!

この自然数は

\[10a+b\]

と表せる。

また,この自然数の十の位と一の位を入れかえてできる自然数は

\[10b+a\]

と表せる。

よってこの2つの自然数の和は

\[\begin{align*} (10a+b)+(10b+a)&=11a+11b\\[5pt] &=11(a+b) \end{align*}\]

$a+b$ は整数だから,$11(a+b)$ は11の倍数である。

従って,題意は示された。


ワンポイント

最後の「題意は示された」というのは,数学の説明(証明)でよく使う表現で,「問題が主張している内容は説明(証明)された」という意味です。

教科書を見ると,「従って,2桁の自然数と,その十の位と一の位を入れ替えてできる自然数との和は,いつでも11の倍数である」などとまとめられていますが,太字部分は問題文そのままです。しかも長い!

そんなときに使える便利な表現が「題意は示された」です。

⚠️もちろん,説明ができていないのに「題意は示された」とだけ書くのはマナー違反です。

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