2.反比例:中学1年数学―オリジナル基礎教科書

中学数学[総目次]

中学1年数学 4章 比例と反比例

検定 教科書
3級:比例で始める関数と座標の理解
2級:反比例の考え方とグラフの特徴
1級:比例・反比例の応用問題の考え方

1. 反比例

 面積が24cm²の長方形において,たての長さが $x$ cm,横の長さを $y$ cmとすると,

\[xy=24\]

が成り立ちます。この式を「$y=$」の形になおすと,

\[y=\dfrac {24}x\]

となります。$x$ にいくつかの値を代入し,$y$ の値を計算してみましょう。

$x$ $1$ $2$ $3$ $4$ $5$ $6$
$y$ $24$ $12$ $8$ $6$ $4.8$ $4$

 このように $x$ を1つ決めると,それに応じて $y$ がただ1つに決まりますね。つまり,$y$ は $x$ の関数です。

 そして,$y=\dfrac{24}x$ のような形をしている関数については,特別に「$y$ は $x$ に反比例する」といいます。

反比例とは2つの変量 $x$ と $y$ があって,

$y=\dfrac ax$ ($a$ は定数,$x\ne0$)

で表されるとき,$y$ は $x$ に反比例するという。

※このとき定数である $a$ を比例定数(ひれいていすう)といいます。反比例定数とは言わないので注意しましょう。

 ちなみに,小学校では次のように学びました。

反比例とは(小学校バージョン)2つの変量 $x$ と $y$ があって,$x$ の値が2倍,3倍,…となるとき,それにともなって $y$ の値が $\dfrac12$ 倍,$\dfrac13$ 倍,…となるとき,$y$ は $x$ に反比例するという。

 反比例を説明するこれら2つの表現は異なっていますが,中身は同じことをいっています。

 $y = \dfrac{24}x$ を例に,確認してみましょう。

$y=\dfrac{24}x$ の対応表
$x=1$ を基準にして,2倍,3倍と変化した様子
$y=\dfrac{24}x$ の対応表
$x=2$ を基準にして,2倍,3倍と変化した様子

 このように,中学の「式の形」と,小学校の「数の変わり方」の説明は,実は同じ内容を述べているのです。

※高校数学では「2つの内容が本質的に同じ」ことを「同値(どうち)」や「必要十分条件」といった言葉で説明するようになります。

例題 $y$ は $x$ に反比例し, $x=4$ のとき $y=-3$ です。
(1) 比例定数を求めなさい。
(2) $x=-6$ のときの $y$ の値を求めなさい。

こたえ

(1) $y$ は $x$ に反比例するから,比例定数を $a$ とすると,$y=\dfrac ax$ と表すことができます。
$x=4$ のとき,$y=-3$ ですから, \[\begin{align*} -3&=\dfrac a4\\[5pt] a&=-12 \end{align*}\] 答え $\boxed{a=-12}$

(2) $y=-\dfrac{12}x$ に $x=-6$ を代入して \[y=-\dfrac{12}{-6}=2\] 答え $\boxed{y=2}$

2.反比例のグラフ

 小学校のときに,反比例のグラフも学習しています。

 中学校では負の数も習いましたら,$x$ が負の数の場合もグラフにかきます。

例1 $y=\dfrac 6x$

$x$ $\cdots$ $-6$ $-3$ $-2$ $-1$ $1$ $2$ $3$ $6$ $\cdots$
$y$ $\cdots$ $-1$ $-2$ $-3$ $-6$ $6$ $3$ $2$ $1$ $\cdots$
$y=\dfrac6x$ のグラフ

例2 $y=-\dfrac 6x$

$x$ $\cdots$ $-6$ $-3$ $-2$ $-1$ $1$ $2$ $3$ $6$ $\cdots$
$y$ $\cdots$ $1$ $2$ $3$ $6$ $-6$ $-3$ $-2$ $-1$ $\cdots$
$y=-\dfrac6x$ のグラフ

 このように,$y=\dfrac ax$ のグラフは,滑らかな2つの曲線で,この曲線を双曲線(そうきょくせん)といいます。

中学数学[総目次]

中学1年数学 4章 比例と反比例

検定 教科書
3級:比例で始める関数と座標の理解
2級:反比例の考え方とグラフの特徴
1級:比例・反比例の応用問題の考え方