2.加法と減法:中学1年数学―オリジナル基礎教科書
中学数学[総目次]
中学1年数学 1章 正の数と負の数

この節のタイトルである「加法と減法」は,やさしい言葉でいうと「足し算」と「引き算」のことです。振り返ってみると,足し算と引き算は,なんと小学校1年生のときから学んでいます。こうした計算は、日常生活の中でも欠かせないため、小さいころから身につけるようにしているのですね。
さて,前節で数の世界を負の数にまで広げましたから,これらの数も含めた足し算,引き算を見ていきましょう。
1. 加法
足し算のことを加法(かほう)といいます。例えば 1+2 のような計算です。加法の計算結果を和(わ)といいます。1+2 の場合,和は3です。0以上の数どうしを足す計算は小学校で学習済みです。従ってここでの話題は,負の数を含む加法に焦点を当てていきます。
さて,負の数を交えた足し算を理解するスペシャルなアイデアを紹介しましょう。それは数直線を用いるという方法です。数直線を使うことで,加法の仕組みを目で見て直感的に捉えることができます。
加法は「+」を用いて 1+2 のようにA+Bの形をしています。このA+Bの「+」は,数直線上を「右向きに進め」の意味となります。
加法の記号「+」の考え方

このとき,加法は数直線を用いて次のように計算します。
A+Bの計算の仕方(数直線の利用)
- 数直線上に,Aに対応する点をとる
- Bが正の数の場合→Bだけ右に進む
- Bが負の数の場合→|B|だけ左に進む
例1 5+(-2)
数直線上の5をとる
→ そこから右向きに-2進む
→ つまり,反対の左向きに2進む
→ 答えは3

例2 (-2)+5
数直線上の-2をとる
→ そこから右向きに5進む
→ 答えは3

例3 2+(-5)
数直線上の2をとる
→ そこから右向きに-5進む
→ つまり,反対の左向きに5進む
→ 答えは-3

例4 (-5)+2
数直線上の-5をとる
→ そこから右向きに2進む
→ 答えは-3

例5 (-3)+(-2)
数直線上の-3をとる
→ そこから右向きに-2進む
→ つまり,反対の左向きに2進む
→ 答えは-5


私たちが普段「足す」という言葉を使うとき,それは基本的に「増やす」ことを意味しています。数直線でいえば,右側に進むイメージです。
しかし数学では,これまでの計算例からも分かるように,負の数を足すということは,数直線上で左向きに進むことを意味します。つまり,「減らす」ことと同じです。
負の符号である「−」は,「進む向きを反対にする」という意味で捉えておくと,今後の計算を理解するうえで大いに役立つでしょう。

2. 減法
引き算のことを減法(げんほう)といいます。例えば $5-2$ のような計算です。この答えは 3 ですが,3 をこの減法の差(さ)といいます。0 以上の2つの数で大きい方から小さい方を引く計算は小学校で学習済みですから,ここでの話題はそれ以外の場合の計算です。そして,ここでも数直線が威力を発揮します。
加法のときと違って,減法では少しだけ注意が必要です。A-Bの「-」は,数直線上を「左向きに進め」の意味になります。
減法の記号「-」の考え方

このとき,減法は数直線を用いて次のように計算します。
