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高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第5章 指数関数・対数関数

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2.指数関数

2.1 指数関数

 1.指数の拡張において,$a^x$ の $x$ を

自然数→整数→有理数→実数

へと拡張してきたが,「整数→有理数」へと拡張するとき,$a$ の値を正の数に制限をした.それは例えば $(-5)^{\frac12}$ という値がもはや実数とはならないからである.$a$ が正の数のときのみ,すべての実数 $x$ において $a^x$ がただ1つの実数として決まるのである.

$a>0$ のとき,任意の実数 $x$ に対して $a^x$ がただ1つ決まる.

 これは $a^x$ が $x$ の関数であることを意味する.そこで,$a>0, a\neq1$ のとき,関数 $y=a^x$ を,$\boldsymbol{a}$ を底(てい)とする指数関数 という.

補足

 $a>0$ から $a=1$ を除いたのは, $1^x$ が恒等的に1をとる関数であり,これから見ていくような指数関数としての性質を持ち合わせていないからである.

2.2 指数関数のグラフ

 指数関数 $y=a^x$ のグラフがどのようになっているのか例を見てみよう.$x$ の値としていくつかの整数をとり, $a^x$ を計算した表を書き,それらの点をグラフに書き込んで滑らかに連結したのが下の図である.

例1 $y=2^x$

例2 $\displaystyle y=\left(\frac12\right)^x$

 $y=2^x$ と $y=\left(\dfrac12\right)^x$ のグラフはよく似ているが,一方は右上がりのグラフで,他方は右下がりのグラフになっている.この違いはどこから来るかといえば,それは「底 $a$」である.この値が1より大きいか,0と1の間であるかによって,右上がりか右下がりが決まるのである.

$y=a^x$ のグラフ

 指数関数 $y=a^x$ のグラフの特徴をまとめると次のようになる:

$y=a^x$ のグラフの特徴
  • $a>1$ のとき,右上がりの曲線
    $0<a<1$ のとき,右下がりの曲線
  • 点 $(0,1)$ を通る
  • $x$ 軸が漸近線となる

 「点 $(0,1)$ を通る」というのは任意の正の数 $a$ に対して $a^0=1$ となることからわかる.

 漸近線とは,簡単に言うと遠いところにおいて限りなく近付くけれども決して交わらない直線のことである.これは双曲線 $y=\dfrac 1x$ のところにも出てきた用語で,この場合は $x$ 軸と $y$ 軸が漸近線となるのであった.

2.3 指数関数の性質

指数関数 $y=a^x$ のグラフより,次のことがわかる:

指数関数の性質\begin{array}{cl} [1]&\mbox{定義域:実数全体}\\ &\mbox{値 域:正の実数全体}\\ [2]&a>1\mbox{のとき,単調に増加する}\\ &    (p<q\iff a^p<a^q)\\ &0<a<1\mbox{のとき,単調に減少する}\\ &   (p<q\iff a^p>a^q) \end{array}

補足

 [2]により,

\[p=q\iff a^p=a^q\]

が成り立つ.(指数方程式で利用)

例題1 方程式 $2^{x+1}=8$ を解け.

こたえ

 解答例を表示する >

例題2 不等式 $2^x<8$ を解け.

こたえ

 解答例を表示する >

例題3 不等式$\displaystyle\left(\frac12\right)^x<\frac18$ を解け.

こたえ

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