高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第1章 式と証明

  スライド ノート 問題
1. 整式の除法      
2. 分数式      
3. 恒等式      
4. 等式の証明      
5. 不等式の証明      

1.整式の除法

演習問題

問題1【基本】
次の整式A, B について,AB で割り切れることを確認せよ.
(1) A=x2+3x+2, B=x+1
(2) A=x22x3, B=x3

問題2【基本】
次の整式 A, B について,AB で割った商と余りを求めよ.
(1) A=x3x2x2, B=x2+2x1
(2) A=2x3+9x21, B=x2+4x3
(3) A=x35x2+7x, B=1+x2

問題3【基本】
3x34x2+13x2 で割る.組立除法を用いて商と余りを求めよ.

問題4【基本】
整式 P(x)=x3+ax2+bx+cx1 で割ったとき,商が x2+3x+2,余りが 2x+5 となった.定数 a,b,c の値を求めよ.

問題1【基本】

次の整式A, B について,AB で割り切れることを確認し,商を求めよ.
(1) A=x2+3x+2, B=x+1
(2) A=x22x3, B=x3

2次式であれば,筆算を用いなくても因数分解で求めることができます.

解答

(1) A=x2+3x+2=(x+1)(x+2)
よって,A=x2+3x+2B=x+1 で割り切れ,商は x+2

(2) A=x22x3=(x3)(x+1)
よって,A=x22x3B=x3 で割り切れ,商は x+1

問題2【基本】

次の整式 A, B について,AB で割った商と余りを求めよ.
(1) A=x3x2x2, B=x2+2x1
(2) A=2x3+9x21, B=x2+4x3
(3) A=x35x2+7x, B=1+x2

3次以上の場合は筆算が有効です.

解答

(1)

答え 商:x3,余り:6x5

(2)

答え 商:2x+1,余り:2x+2

(3) 割る式である 1+x2 が降べきの順になっていません.筆算で割り算を行うときには,割る式,割られる式がともに降べきの順になっていなければなりません.

答え 商:x+5,余り:8x+5

問題3【基本】

3x34x2+13x2 で割る.組立除法を用いて商と余りを求めよ.

1次式で割るなら組立除法が強力です.

解答

この計算は,3x34x2+1x23 で割った商と余りを表していますから,

3x34x2+1=(x23)(3x22x43)+19

右辺の2番目のカッコから3をくくりだして,1番目のカッコの中に掛けると

3x34x2+1=(3x2)(x223x49)+19

答えは 商:x223x49,余り:19

問題4【基本】

整式 P(x)=x3+ax2+bx+cx1 で割ったとき,商が x2+3x+2,余りが 2x+5 となった.定数 a,b,c の値を求めよ.

7÷2=3余り1という関係から,7=2×3+1と表せます。同じようにやってみましょう.

解答

条件より

P(x)=(x1)(x2+3x+2)+(2x+5)

と表せる.右辺を展開して整理:

(x1)(x2+3x+2)=x3+3x2+2xx23x2=x3+2x2x2

余りを加えて

(x3+2x2x2)+(2x+5)=x3+2x2+x+3

P(x)=x3+ax2+bx+c と係数を比較すると,a=2b=1c=3

答えは a=2, b=1, c=3