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高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第1章 式と証明

  スライド ノート
1. 整式の除法 [無料]  
2. 分数式 [無料]  
3. 恒等式 [無料]  
4. 等式の証明 [無料]  
5. 不等式の証明 [無料]  

2. 分数式

2.1 分数式の計算

 $\dfrac{x^2-1}{x+2}$ のような式を分数式という.

計算例

(1) $\dfrac{x^3-1}{x^2+x-2}=\dfrac{(x-1)(x^2+x+1)}{(x-1)(x+2)}=\dfrac{x^2+x+1}{x+2}$

(2) $\dfrac1{x^2+x}-\dfrac1{x^2-x-2}$
     $=\dfrac1{x(x+1)}-\dfrac1{(x+1)(x-2)}$
     $=\dfrac{x-2}{x(x+1)(x-2)}-\dfrac x{x(x+1)(x-2)}$
     $=\dfrac{(x-2)-x}{x(x+1)(x-2)}$
     $=-\dfrac2{x(x+1)(x-2)}$

 これまでの分数計算と同様に,(1)の操作を約分するといい,(2)の操作を通分して計算するという.

 整式(単項式と多項式)と分数式をあわせて有理式という.

注意

① 例えば,$\dfrac{x+5}2$ は $\dfrac 12x+\dfrac52$ と書けるから,分数式ではなく整式である.
② 例えば,$\dfrac{x-1}{x^2-1}$ は約分を行って $\dfrac 1{x+1}$ とできるが, \[\frac{x-1}{x^2-1}=\frac 1{x+1}\ \ \cdots(*)\] と書くとき,両辺の $x$ を 1 とおくと,左辺は分母が0となって意味を持たないが,右辺は $\dfrac12$と なり意味を持つ.このように,$(*)$式の等号「$=$」は,$x\neq1$ が前提となっている.

分数式の基本性質 $A$~$D$を整式とする.(ただし$C\neq0,D\neq0$)\begin{align*} &\frac AB=\frac{A\times C}{B\times C}\\ &\frac AB=\frac{A\div D}{B\div D} \end{align*}

分数式の四則\begin{align*} &\frac AC+\frac BC=\frac{A+B}C\\ &\frac AC-\frac BC=\frac{A-B}C\\ &\frac AB\times\frac CD=\frac{AC}{BD}\\ &\frac AB\div\frac CD=\frac AB\times\frac DC=\frac{AD}{BC} \end{align*}

2.2 仮分数式→整式+真分数式

例題1 関数 $y=\dfrac {2x+3}{x-1}$ $(2\leqq x\leqq 3)$ の値域を求めよ.

ポイント
割り算を行って,
  (整式)+(真分数式)
の形にする.

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例題2 関数 $y=\dfrac {x^2}{x-1}$ $(x > 1)$ の最小値を求めよ.

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発展的補足

 この例題の別解を3つ挙げる.

別解1

 $\dfrac {x^2}{x-1}=k$ とおいて整理すると

\[x^2-kx+k=0\]

 題意はこの2次方程式が $x>1$ に実数解をもつような $k$ の最小値を求めることと同値で,その条件は左辺が $x=1$ のとき正の数となることに注意すると,

\[\frac k2>1,\ k^2-4k\geqq0\]

\[\therefore k\geqq4\]

 従って求める最小値は4.

※2つの不等式条件については,2次方程式の解の配置 を参照.

別解2

 $\dfrac {x^2}{x-1}=k$ とおく.左辺の分母を払って

\[x^2=k(x-1)\]

 両辺をそれぞれ $y$ とおいたグラフは,$y=x^2$ が放物線,そして $y=k(x-1)$ が定点 $(1,0)$ を通る直線である.従って題意は放物線と直線が $x>1$ で共有点をもつような $k$ の最小値を求めることと同値である.グラフを考えると $k$ が最小となるのは2つのグラフが接するときであるから,$x^2-kx+k=0$ の判別式 $D=0$ より

\[k^2-4k=0\ \ \therefore k=4\]

 よって求める最小値は4.

※$k=0$ のときは不適.

別解3

 $\dfrac {x^2}{x-1}$ を $\dfrac {x^2-0}{x-1}$ と書き換えると,この式は2点 $(x,x^2)$,$(1,0)$ を結ぶ直線の傾きを表す.従って題意は $x>1$ におけるこの直線の傾きの最小値を求めることと同値で,$(x,x^2)$ は放物線 $Y=X^2$ 上の点であるから,あとは例題2と同様に接する場合の傾きを求めて最小値は4.

2.3 繁分数式

例題 次の計算をせよ. \[\dfrac 1{1-\dfrac 1{1-\dfrac 2{x+1}}}\]

ポイント
分母の深いところ(下層)から計算する.

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2.4 部分分数分解

例題 次を計算せよ.
(1) $\dfrac1{x(x\!+\!1)}\!+\!\dfrac1{(x\!+\!1)(x\!+\!2)}\!+\!\dfrac1{(x\!+\!2)(x\!+\!3)}$
(2) $\dfrac1{x(x\!+\!2)}\!+\!\dfrac1{(x\!+\!2)(x\!+\!4)}\!+\!\dfrac1{(x\!+\!4)(x\!+\!6)}$

(1)

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(2)

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2.5 分数式を含む方程式

例題 方程式 $\dfrac x{x-1}=\dfrac{3x-2}{x^2-x}$ を解け.

ポイント
(分母) $\neq0$ を確認する

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