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高校数学ノート[総目次]

数学Ⅱ 第3章 図形と方程式

スライド↓     ノート↓
1. 座標平面上の点 無料   【ノート
2. 直線の方程式 無料    【ノート
3. 円の方程式         【ノート
4. 円と直線          【ノート
5. 軌跡と方程式        【ノート
6. 不等式と領域        【ノート

※【ノート】はスライドの内容をまとめたものです.

6.1 不等式の表す領域

 $y>x+1$ の表す領域

  $x=-1$ のとき,$y>0$
  $x=0$ のとき,$y>1$
  $x=1$ のとき,$y>2$
  $x=2$ のとき,$y>3$
    $\vdots$

$x=-1,0,1,2$ のとき

 $x$ がすべての実数をとると,$y>x+1$ の表す領域は図の斜線領域である.ただし,境界線は含まない.

補足

 図の境界線には,可能な範囲でそのグラフから方程式が復元できるように通過点などを書き込んでおく.例えば,
 直線 :2点
 円  :中心と半径がわかるようにしておく
 放物線:頂点ともう1点
 双曲線:それぞれの曲線に1点
     (漸近線がわかり,$xy=a$ から $a$ もわかる)
など.


一般に不等式の表す領域は次のようになる:

[1] $y>f(x)$ の表す領域
境界線を含まない
[2] $y< f(x)$ の表す領域
境界線を含まない

注意

 不等式の表す領域は,通常斜線で図示する.その際,境界線を含む,含まないについてのコメントも必ず添えておく.

発展的補足

 例えば,$y\boldsymbol{>}x+1$ の表す領域に属する任意の点を $(x_1,y_1)$ とすると,$y_1>x_1+1$,即ち \[x_1-y_1+1<0\] が成り立つ.
 また,$y\boldsymbol{<}x+1$ の表す領域に属する任意の点を $(x_2,y_2)$ とすると,$y_2<x_2+1$,即ち \[x_2-y_2+1>0\] が成り立つ.
 つまり,直線 $x-y+1=0$ に関して異なる領域に属する2点の座標を $x-y+1$ に代入すると,式の値は異符号になる.この事実は例えば「直線が座標平面上の2点の間を通過する」といった条件で利用される.

$x>h,\ y>k\ (h,k$ は定数)の表す領域

例1 $x<-1$

境界線を含まない

例1 $y\geqq1$

境界線を含む  

例題 不等式 $xy>1$の表す領域を図示せよ.

\[\left\{\begin{array}{ll} x>0\, \mbox{のとき}&y>\dfrac1x\\[5pt] x<0\, \mbox{のとき}&y<\dfrac1x \end{array}\right.\]  よって,$xy>1$ の表す領域は図の境界線を含まない斜線部分:

$xy>1$

補足

 $y>\dfrac1x$ の表す領域とは異なる:

$y>\dfrac 1x$
(境界線を含まない)

6.2 円の内部・外部

例題 不等式 $(x\!-\!1)^2\!+\!(y\!-\!2)^2\!\leqq\!3^2$ の表す領域を図示せよ.

 P$(x,y)$ ,C$(1,2)$ とすると,与式は \[\begin{align*} {\rm CP}^2&\leqq3^2\\[5pt] \therefore {\rm CP}&\leqq3 \end{align*}\]  よって与式を満たすPは,円 $(x\!-\!1)^2\!+\!(y\!-\!2)^2\!=\!3^2$ の周及び内部にある.

 従って,与式の表す領域は図の境界線を含む斜線部分である:

 一般に次が成り立つ:

円の内部・外部  円 $(x-a)^2+(y-b)^2=r^2\ \cdots$ ①について,
  [1] $(x-a)^2+(y-b)^2<r^2$
    → 円①の内部
  [2] $(x-a)^2+(y-b)^2>r^2$
    → 円①の外部

左が[1]で,右が[2]
ともに境界線を含まない.

例題  連立不等式$\left\{\begin{array}{l}y> x+1\\x^2+y^2\leqq 4\end{array}\right.$ の表す領域を図示せよ.

境界線は,円周を含み,直線及び円と直線の交点を含まない

6.3 線形計画法

例題 $x,y$ が次の不等式 \[\left\{\begin{array}{l}x\geqq0,\ y\geqq0\\ 2x+y\leqq10\\ x+3y\leqq15 \end{array}\right.\] を満たすとき,$x+y$ の最大値と最小値を求めよ.

前提となる考え方
 例えば,$x+y=5$ となる $(x,y)$ の組は無数にあるが,それらの組1つ1つを座標平面上に落としていくと,1つの図形が浮かび上がる.それは即ち直線 $y=-x+5$ である.この直線上の任意の点 $(x,y)$ について,$x+y$ の値は5になり,その値は $y$ 切片に現れる.和が5になる $(x,y)$ の組は漏れなくこの直線上にあるのであり,この直線上以外の点 $(x,y)$ は決して $x+y$ が5にならない.

ポイント
 $x+y=k$ とおく.
 → 直線を表し,$k$ はその $y$ 切片
   境界線の傾きに注意して $k$ を動かす

 与えられた不等式の表す領域(Pとする)は,図の境界線を含む斜線部分である.
 今,$x+y=k$ とおくと,$y=-x+k\ \cdots$①
 実数の組 $(x,y)$ を領域Pより選ぶのであるから,直線①が領域Pと共有点をもつ範囲で考えて,$k$ 即ち $x+y$ は,

 $(x,y)=(3,4)$ のとき,最大値7
 $(x,y)=(0,0)$ のとき,最小値0

をとる.

よくある質問

Q.何故,点 $(3,4)$ を通るときが最大か.例えば図のような点を通るときが最大でない理由は?

A.指定した点 $(x_1,y_1)$ について,$x_1+y_1$ の値が $k$ だとすれば,この $k$ は上の図で直線 $y=-x+k$ の $y$ 切片となって現れている.しかしこの $k$ は,下図の $y$ 軸上を見れば,7より小さい.従って,$x_1+y_1(=k)$ は最大ではない.

6.4 命題と領域

「$p$ ならば $q$」を「$p\Rightarrow q$」と書く.

「$p\Rightarrow q$」が真であることを示すためには,「$\boldsymbol p$ を満たすどれをとっても $\boldsymbol q$ を満たす」ことを示さなければならない.ここに集合の考え方が役立つ.

 条件 $p,q$ の真理集合をそれぞれ $P,Q$ とすると,

$p\Rightarrow q$ が真 $\iff P\subset Q$

例題 $x^2+y^2\leqq1$ ならば $x+y\leqq\sqrt2$ を示せ.

 $x^2+y^2\leqq1$ の表す領域を $P$,$x+y\leqq\sqrt2$ の表す領域を $Q$ とすると,図より $P \subset Q$ である.

ともに境界線を含む

 よって題意は示された.


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