高校数学[総目次]

数学Ⅲ 第5章 2次曲線

  スライド ノート
1. 放物線 [会員]  
2. 楕円 [会員]  
3. 双曲線 [会員]  
4. 2次曲線の平行移動 [会員]  
5. 2次曲線と直線 [会員]  
6. 2次曲線の性質 [会員]  
7. 曲線の媒介変数表示 [会員]  
8. 極座標と極方程式 [会員]  

4.2次曲線の平行移動

4.1 曲線 $F(x,y)=0$ の平行移動

 $F(x,y)=0$ の表す曲線を

$x$ 軸方向に $p$,$y$ 軸方向に $q$

だけ平行移動すると

$F(x-p,y-q)=0$

となる.

注意

 2次曲線においては,頂点,焦点,準線,漸近線なども同じように平行移動する.

例題 放物線 $y^2=8x$ を,$x$ 軸方向に $-1$, $y$ 軸方向に2だけ平行移動した放物線$C$の方程式,頂点,焦点,準線を求めよ.

こたえ

 放物線 $C$ の方程式は

$(y-2)^2=8(x+1)$

 また,放物線 $y^2=4\cdot2x$ は

頂点 $(0,0)$,焦点 $(2,0)$,準線 $x=-2$

であり,これらも同様に平行移動するから,放物線 $C$ は,

頂点 $(-1,2)$,焦点 $(1,2)$,準線 $x=-3$

4.2 $ax^2+by^2+cx+dy+e=0$ の表す図形

例題1 $4x^2-9y^2-8x-36y-68=0$ はどのような図形を表すか.

こたえ

 与式を変形して

\[4(x^2-2x+1)-9(y^2+4y+4)=36\]

すなわち $4(x-1)^2-9(y+2)^2=36$

よって  $\dfrac{(x-1)^2}9-\dfrac{(y+2)^2}4=1$

これは,双曲線 $\dfrac{x^2}9-\dfrac{y^2}4=1$ を $x$ 軸方向に1,$y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動したものである.

例題2 2つの焦点の座標が $(-2,1),(6,1)$ で,焦点からの距離の和が10である楕円 $C$ の方程式を求めよ.

ポイント  2次曲線の平行移動量は次に着目:
  ①放物線:頂点
  ②楕円:中心
  ③双曲線:中心

こたえ

 焦点の座標が $(-2,1),(6,1)$ であるから,楕円の中心は $(2,1)$.また,焦点からの距離の和が10であるから,$C$ は,楕円 $\dfrac{x^2}{5^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ を $x$ 軸方向に2,$y$ 軸方向に1だけ平行移動したものである.

 この移動前の楕円は,焦点が $(\pm4,0)$ で,焦点からの距離の和が10であるから,

\[4=\sqrt{5^2-b^2}\ \therefore b=3\]

 故に求める方程式は,

\[\frac{(x-2)^2}{25}+\frac{(y-1)^2}{9}=1\]