高校数学[総目次]
数学Ⅱ 第2章 複素数と方程式
| スライド | ノート | 演習 | |
| 1. 複素数 | |||
| 2. 2次方程式の解と判別式 | |||
| 3. 解と係数の関係 | |||
| 4. 剰余の定理・因数定理 | |||
| 5. 高次方程式 |

3.解と係数の関係
3.1 解と係数の関係
2次方程式 ax2+bx+c=0 の解の公式というのは,この方程式の解を係数 a,b,c を用いて表したものであった.具体的には
x=−b±√b2−4ac2a
である.この表現は決してシンプルとは言い難いが,どんな2次方程式でも確実に解を求められるという点で大変に優れた式であった.
2次方程式には重解も区別して数えると必ず解が2個存在し,それらを具体的に表現しようすると上のような複雑な式にならざるを得ないが,実は2つの解を個別にではなく,まとまりとして表現すると,実にシンプルな式に変わる.そのまとまりとは「和」と「積」である.
2次方程式 ax2+bx+c=0 の2解を α, β とすると,D=b2−4ac として解の公式より
x=−b±√D2a
和
α+β=−b+√D2a+−b−√D2a=−2b2a=−ba
積
αβ=−b+√D2a⋅−b−√D2a=b2−D4a2=b2−(b2−4ac)4a2=4ac4a2=ca
2次方程式の解と係数の関係
2次方程式 ax2+bx+c=0 の2解を α,β とすると,
α+β=−baαβ=ca
補足
次のようにして求めることもできる:
(詳しくは 5.2 3次方程式の解と係数の関係 の補足を参照)
α,β を2解にもつ2次の係数が a である2次方程式は,
a(x−α)(x−β)=0
であるから,ax2+bx+c=0 の2解が α,β のとき,
ax2+bx+c=a(x−α)(x−β) (←恒等式)
と変形できる.右辺を展開すると,
ax2+bx+c=ax2−a(α+β)x+aαβ
よって,両辺の1次の係数と定数項を比較して,
b=−a(α+β), c=aαβ
∴α+β=−ba, αβ=ca

例題 2次方程式 2x2−4x+1=0 の2解を α, β とするとき,次の値を求めよ.
(1) α2+β2
(2) α3+β3
(3) (α−β)2
こたえ
解と係数の関係により,
α+β=−−42=2, αβ=12
(1)

