高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第2章 複素数と方程式

  スライド ノート 演習
1. 複素数      
2. 2次方程式の解と判別式      
3. 解と係数の関係      
4. 剰余の定理・因数定理      
5. 高次方程式      

5.高次方程式

演習問題

問題1【基本】
次の3次方程式を解け.
(1) $x^3- 2x^2- x + 2 = 0$
(2) $x^3+4x^2-8=0$

問題2【基本】
4次方程式 $x^4+x^2-6=0$ を解け.

問題3【基本】
3次方程式 $x^3 + ax^2 + bx + c = 0$ の3つの解を $\alpha$,$\beta$,$\gamma$ とするとき,次を $a,\ b,\ c$ で表せ.
(1) $\alpha + \beta + \gamma$
(2) $\alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha$
(3) $\alpha\beta\gamma$

問題4【標準】
3次方程式 $x^3+ax^2+bx+12=0$ が $1$ と $2$ を解にもつとき,定数 $a,\ b$ の値を求めよ.また,他の解を求めよ.

問題5【標準】
3次方程式 $x^3-3x^2+ax+b=0$ が $1+3\,i$ を解にもつとき,実数の定数 $a,\ b$ を求めよ.また,他の解を求めよ.

問題1【基本】

次の3次方程式を解け.
(1) $x^3- 2x^2- x + 2 = 0$
(2) $x^3+4x^2-8=0$

高次方程式の解法は,まず発見的に1つ解を見つけてくることです.その候補は定数項の正負の約数です.

解答

(1) 

係数がすべて整数で,かつ最高次である3次の係数が1ですから,この方程式が有理数解をもつとすれば,それは定数項である2の正負の約数,すなわち $\pm1,\ \pm2$ の4つです.

左辺を $P(x)$ とおくと,

\[\begin{align*}
P(-1)&=(-1)^3-2(-1)^2-(-1)+2\\[5pt]
&=-1-2+1+2=0
\end{align*}\]

従って $P(x)$ は $x+1$ を因数にもつから割り算を行って因数分解をすると,
\[P(x)= (x + 1)(x^2 + 2x + 2)\]

よって元の方程式は $(x + 1)(x^2 + 2x + 2)=0$

$x^2 + 2x + 2 = 0$ は解の公式より

\[x =-1\pm\sqrt{1^2-1\cdot2}=-1\pm\sqrt{-1} =-1 \pm i\]

したがって,解は $x = -1,\ -1\pm i$

答えは $\boxed{x = -1,\ -1\pm i}$

(2) 

係数がすべて整数で,かつ最高次である3次の係数が1ですから,この方程式が有理数解をもつとすれば,それは定数項である $-8$ の正負の約数,すなわち $\pm1$,$\pm2$,$\pm 4$,$\pm8$ の8つです.

左辺を $P(x)$ とおくと,