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高校数学[総目次]
数学Ⅲ 第1章 極限
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1. 数列の極限 | [無料] | |
2. 無限等比数列 | [無料] | |
3. 無限級数 | [会員] | |
4. 無限等比級数 | [会員] | |
5. 関数の極限 | [会員] | |
6. (sin x)/x の極限 | [会員] | |
7. 関数の連続性 | [会員] |
7.1 関数が連続であるための条件
関数 $f(x)$ が $x=a$ で連続であるということは,次の3つが満たされているときをいう:
① $x=a$ は $f(x)$ の定義域に属する.
( $f(a)$ が定義されている.)
② 極限値 $\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)$ が存在する.
③ $\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=f(a)$ である.
例1
$f(x)=\left\{ \begin{array}{ll} 0&(x=0\ \mbox{のとき})\\ x^2+1&(x\neq 0\ \mbox{のとき}) \end{array}\right.$ について,$x=0$ での連続性を調べよ.
① $f(0)=0$ である.
② $\displaystyle\lim_{x\to0}f(x)=\lim_{x\to0}(x^2+1)=1$
③ $\displaystyle\lim_{x\to0}f(x)\ne f(0)$
よって,$f(x)$は$x=0$ で連続でない.
例2
$f(x)=x^2$ について,$x=0$ での連続性を調べよ.
① $f(0)=0$ である.
② $\displaystyle\lim_{x\to0}f(x)=\lim_{x\to0}x^2=0$
③ $\displaystyle\lim_{x\to0}f(x)= f(0)$
よって,$f(x)$ は $x=0$ で連続である.
補足
①を満たし,②,③のいずれか一方でも満たさない場合に,$f(x)$
は $x=a$ で不連続であるという.
従って例えば「関数 $\dfrac 1x$ は,$x=0$ で不連続である」とは言わない.($\dfrac 1x$ は $x=0$ で定義されていないから①を満たさない.)
7.2 連続性の性質
関数 $f(x),\ g(x)$ が $x=a$ で連続のとき,次の関数も $x=a$ で連続である:
[1] $kf(x)+lg(x)$ ( $k,\ l$ は定数)
[2] $f(x)g(x)$
[3] $\dfrac{f(x)}{g(x)}$ (ただし $g(a)\neq 0$ )
7.3 連続関数
関数 $f(x)$ が,定義域のすべての $x$ で連続のとき,$f(x)$ は連続関数であるという.
補足
① 例えば関数 $\dfrac 1x$ は連続関数である.「$x=0$ で不連続なのでは??」…さにあらず.先に述べたように,関数の連続性は定義域内の各値でのもので,$x=0$ は関数 $\dfrac 1x$の定義域外の値であるから,そもそも連続性に関する議論の対象にならない.
② 関数 $x$ は連続関数であるから帰納的に $x^n$ ( $n$ は自然数)は連続関数である($\because$ 連続性の性質[2]).従って $x$ の整式 $a_0x^n+a_1x^{n-1}+\cdots +a_{n-1}x+a_n$ も連続関数である($\because$ 連続性の性質[1]).
一般に有理関数(整式 $+$ 分数式)は連続関数である($\because$ 連続性の性質[3]).
7.4 区間で連続
関数 $f(x)$ がある区間のすべての $x$ で連続のとき,$f(x)$ はその区間で連続であるという.
関数 $f(x)$ が「閉区間 $[a,\ b]$ で連続」とは
① 開区間 $(a,\ b)$ で連続
② $\left\{\begin{array}{cc}
\displaystyle\lim_{x\to a+0}f(x)=f(a)\\
\displaystyle\lim_{x\to b-0}f(x)=f(b)
\end{array}\right.$
の2つが成立するときをいう.
7.5 連続関数の最大値・最小値の定理
閉区間で連続な関数には次の定理が成り立つ:
最大値・最小値の定理 関数 $f(x)$ が閉区間で連続ならば,$f(x)$ はその区間で最大値と最小値をもつ.
仮定の検証
-
閉区間
もし(半)開区間ならば,例えば関数 $\tan x$ $\left(-\dfrac \pi 2<x<\dfrac\pi 2\right)$ などの反例がある.(最大値も最小値もない.) - 連続性
もし $f(x)$ が閉区間で連続でないなら,例えば閉区間$[0,1]$における関数 $x-[x]$ などの反例がある.(最大値がない.)
7.6 中間値の定理
中間値の定理 関数 $f(x)$ が閉区間 $[a,b]$ で連続で,$f(a)\neq f(b)$ ならば,$f(a)$ と $f(b)$ の間の任意の $k$ に対して \[f(c)=k,\ \ a<c<b\] となる $c$ が少なくとも1つ存在する.
この中間値の定理により,次の定理が導かれる:
定理 関数 $f(x)$ が閉区間 $[a,b]$ で連続で,$f(a)$ と $f(b)$ が異符号ならば,方程式 $f(x)=0$ は $a$ と $b$ の間に少なくとも1つの解をもつ.
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