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高校数学[総目次]

数学Ⅲ 第2章 微分法

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2.合成関数の導関数

2.1 合成関数

 $x$ を1つ決めると $f(x)$ がただ1つ決まり,この $f(x)$ に応じて $g(f(x))$ がただ1つ定まるとき,$g(f(x))$ を $f(x)$ と $g(x)$ の合成関数といい,$(g\circ f)(x)$ で表す.

注意

① $g(x)$ の $x$ のところに $f(x)$ が入るから,$f(x)$ の値域が $g(x)$ の定義域に含まれていなければならない.
例 $f(x)=x-1,g(x)=\sqrt x$ のとき,
  $(g\circ f)(x)=g(f(x))=\sqrt{x-1}\ \cdots
(*) $
  よって $f(x)$ の値域が0以上 $(x\geqq1)$ のとき,$(*)$ は意味を持つ.
② $(g\circ f)(x)$ と $(f\circ g)(x)$ の違いに注意.
例 $f(x)=3x^2,\ g(x)=2x-1$のとき,
  $(g\circ f)(x)=g(f(x))=2\cdot3x^2-1=6x^2-1$
  $(f\circ g)(x)=f(g(x))=3(2x-1)^2$
③ $u=f(x),y=g(u)$ を合成した $y=g(f(x))$ は,$g(u)$ の $u$ が全て $f(x)$ に置き換わっているから $x$ の関数である.つまり $y=g(f(x))$ に文字 $u$ はない.

2.2 合成関数の導関数

 $f(x),g(x)$ が微分可能であるとする.$y=f(g(x))$ の導関数 $\dfrac{dy}{dx}$ を考えたい.
 $u=g(x)$ とおいて, \[\left\{\begin{array}{l} y=f(u)\\ u=g(x) \end{array}\right.\ \cdots\mbox{①}\] の合成と考えると次が成り立つ:

合成関数の導関数 \[ \frac{dy}{dx}=\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\]

証明

 $x$ の増分 $\Delta x$ に対する $u$ の増分を $\Delta u$ とおく: \[\Delta u=g(x+\Delta x)-g(u)\ \cdots\mbox{②}\]  従って,$g(x+\Delta x)=u+\Delta u\ \cdots$③
 以上の準備の下で, \[\begin{align*} \frac{dy}{dx}&=\lim_{\Delta x\to0}\frac{f(g(x+\Delta x))-f(g(x))}{\Delta x}\\ &=\lim_{\Delta x\to0}\frac{f(u+\Delta u)-f(u)}{\Delta x}\ \ (\because\mbox{③,①})\\ &=\lim_{\Delta x\to0}\frac{f(u+\Delta u)-f(u)}{\Delta u}\cdot\frac{\Delta u}{\Delta x}\\ &=\lim_{\Delta x\to0}\frac{f(u+\Delta u)-f(u)}{\Delta u}\cdot\frac{g(x+\Delta x)-g(x)}{\Delta x}\ \cdots\mbox{④} \end{align*}\]  ここで,$g(x)(=u)$ は微分可能,従って連続だから, \[\lim_{\Delta x\to0}g(x+\Delta x)=g(x)\]  よって②により,$\Delta x\to0$ のとき $\Delta u\to 0$ となるから, \[\begin{align*} \mbox{④}&=\lim_{\Delta u\to0}\frac{f(u+\Delta u)-f(u)}{\Delta u}\cdot\lim_{\Delta x\to0}\frac{g(x+\Delta x)-g(x)}{\Delta x}\\ &=\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx} \end{align*}\]

 $y=f(u),u=g(x)$ のとき,$\dfrac{dy}{du}=f'(u),\dfrac{du}{dx}=g'(x)$ により, \[\begin{align*} \frac{dy}{dx}&=\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\\ &=f'(u)g'(x)\\ &=f'(g(x))g'(x) \end{align*}\]

合成関数の導関数2\[ \Bigl\{f\bigl(g(x)\bigr)\Bigr\}’=f’\bigl(g(x)\bigr)g'(x) \]

$y=(1-2x)^3$ のとき, \[\frac{dy}{dx}=3(1-2x)^2\cdot(-2)=\underline{-6(1-2x)^2}\]


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