高校数学[総目次]
数学Ⅱ 第3章 図形と方程式
スライド | ノート | 問題 | |
1. 座標平面上の点 | |||
2. 直線の方程式 | |||
3. 円の方程式 | |||
4. 円と直線 | |||
5. 軌跡と方程式 | |||
6. 不等式と領域 |

1.座標平面上の点
1.1 数直線上の点
数直線上の1点をPとするとき,Pに対応する実数 x をPの座標といい,P(x) で表す.例えば下の図では点Pが2に対応しているから P(2) と表す.

数直線上に2点A,Bをとり,線分ABを考える.この線分を m:n に分ける方法として,内分と外分を説明する.内分の方は特に問題ないだろうが,外分の方は少しわかりにくいので注意を要する.
内分や外分の概念は,数直線上の線分に限らず,一般の線分に対して定義されるが,ここでは数直線上の線分に限定して話を進める.
内分点
数直線上の2点A,Bについて,線分AB上に点Pがあるとする.このとき,AP:PB=m:n であるならば,点Pは線分ABを m:n に内分するといい,Pを内分点(ないぶんてん)という.
注意
例えば 1:2 に内分するといっても「線分ABを 1:2 に内分する」というのと「線分BAを 1:2 に内分する」というのは異なる.要するにAとBのどちらの点を先に述べるかということである.


数直線上の2点 A(a),B(b) について,線分ABを m:n に内分する点 P の座標 x を求めてみよう.
1° a<b のとき

(x−a):(b−x)=m:nn(x−a)=m(b−x)(m+n)x=na+mb∴x=na+mbm+n
2° a>b のとき

(a−x):(x−b)=m:nn(a−x)=m(x−b)(m+n)x=na+mb∴x=na+mbm+n
1°,2° ともに同じ結果となるから次が成り立つ:
内分点 数直線上の2点A(a), B(b)について,線分ABをm:nに内分する点の座標は,na+mbm+n 特に,線分ABの中点(1:1に内分する点)の座標は,a+b2
例 数直線上の2点 A(3),B(6) について,
(1) 線分ABを 2:1 に内分する点の座標
1×3+2×62+1=5
(2) 線分ABの中点
3+62=92
外分点
数直線上の2点A,Bについて,数直線上の線分ABの外側に点Qがあるとする.このとき,AQ:QB=m:n であるならば,点Qは線分ABを m:n に外分するといい,Pを外分点(がいぶんてん)という.
内分のときと違って外分は少し難しい.数直線上の2点A,Bをとって線分ABを考えるところまでは同じなのであるが,内分のときには点Pを線分AB上にとったのに対し,外分では数直線上の線分AB以外のところ,つまり外側にとるのである.
外分を理解するために,「線分ABを 2:1 に外分する点P」と「線分ABを 1:2 に外分する点Q」の2つを例にとろう.ポイントは「ひと筆書き」である.
1° 線分ABを 2:1 に外分する点P
数直線上のAに鉛筆を置き,そこから数直線に沿って2だけ進んだところにPを書く.ただしPは線分ABの外側にとる.そして鉛筆を浮かすことなくそこから1だけ移動させるとBにたどり着く.そのような点Pが線分ABを 2:1 に外分する点である.

線分ABを 2:1 に外分する点P
2° 線分ABを 1:2 に外分する点Q
数直線上のAに鉛筆を置き,そこから数直線に沿って1だけ進んだところにQを書く.ただしQは線分ABの外側にとる.そして鉛筆を浮かすことなくそこから2だけ移動させるとBにたどり着く.そのような点Qが線分ABを 1:2 に外分する点である.

線分ABを 1:2 に外分する点P
アニメーションの鉛筆の動きからわかるように,m:n に外分するというときの外分点の位置は,m>n ならばAからBに向かう側にあり,逆に m<n ならばBから遠ざかる側にある.

数直線上の2点 A(a),B(b) について,線分ABを m:n に外分する点 Q の座標 x を求めてみよう.
1° m>n のとき

(x−a):(x−b)=m:nm(x−b)=n(x−a)(m−n)x=−na+mb∴x=−na+mbm−n
2° m<n のとき

(a−x):(b−x)=m:nn(a−x)=m(b−x)(m−n)x=−na+mb∴x=−na+mbm−n
1°,2° ともに同じ結果となるから次が成り立つ:
外分点 数直線上の2点A(a), B(b)について,線分ABをm:nに外分する点の座標は,(mとnの大小関係によらず)−na+mbm−n
例 数直線上の2点 A(3),B(5) について,
(1) 線分ABを 2:1 に外分する点の座標
−1×3+2×52−1=7
(2) 線分ABを 1:2 に外分する点の座標
−2×3+1×51−2=1

1.2 座標平面上の点
2点間の距離

2点 A(x1,y1),B(x2,y2) について,2点A,B間の距離ABは,三平方の定理により,
AB2=(x2−x1)2+(y2−y1)2
となる.この式は,ABが x 軸に垂直な場合(x1=x2)や,y 軸に垂直な場合(y1=y2)でも成り立つ.
AB>0 であるから,
AB=√(x2−x1)2+(y2−y1)2
特に,点Bが原点 O(0,0) のとき,
OA=√x12+y12
2点間の距離 平面上の2点A(x1,y1), B(x2,y2)について,2点間の距離ABは,AB=√(x2−x1)2+(y2−y1)2 特に,Bが原点(0,0)のとき,OA=√x12+y12
例 A(1,4),B(3,2) のとき,
AB=√(3−1)2+(2−4)2=√8=2√2_
内分点・外分点
平面上の2点 A(x1,y1),B(x2,y2) について
1° 線分ABを m:n に内分する点P

2° 線分ABを m:n に外分する点Q

平行線と線分の比の関係を考えると,結局数直線上の2点の場合に帰着される.
まとめ 平面上の2点A(x1,y1), B(x2,y2) について,線分ABを m:n に内分する点:(nx1+mx2m+n,ny1+my2m+n)特に中点は(x1+x22,y1+y22)外分する点:(−nx1+mx2m−n,−ny1+my2m−n)
例 平面上の2点 A(0,1),B(3,4) について
(1) 2:1 に内分する点
(1⋅0+2⋅32+1,1⋅1+2⋅42+1)
∴(2,3)
(2) 中点
(0+32,1+42)
∴(32,52)
(3) 4:1 に外分する点
(−1⋅0+4⋅34−1,−1⋅1+4⋅44−1)
∴(4,5)
(4) 1:4 に外分する点
(−4⋅0+1⋅31−4,−4⋅1+1⋅41−4)
∴(−1,0)
対称な点

2点A(x1,y1),B(x2,y2) が点P(X,Y) に関して対称な位置にあるとき,
点Pは線分ABの中点
と捉える.
例題 点A(1,4)と,点P(3,2)に関して対称な点Bの座標は?
点P(3,2) は線分ABの中点だから,
{1+x2=34+y2=2 ∴{x=5y=0
よって,B(5,0)
三角形の重心

辺BCの中点をM(X,Y) とおくと,
{X=x2+x32Y=y2+y32
重心Gは,線分AMを 2:1 に内分する点であるから,G(x,y) は,
{x=1⋅x1+2X2+1=x1+x2+x33y=1⋅y1+2Y2+1=y1+y2+y33
まとめ 3点A(x1,y1), B(x2,y2), C(x3,y3)について,△ABCの重心の座標は,(x1+x2+x33, y1+y2+y33)

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