高校数学[総目次]
数学Ⅰ 第1章 2次関数
スライド | ノート | 問題 | |
1. 2次関数のグラフ | [無料] | ||
2. 関数のグラフの移動 | |||
3. 2次関数の最大・最小 | |||
4. 2次関数の決定 | |||
5. 2次関数のグラフと方程式 | |||
6. 2次不等式とグラフ | |||
7. 2次方程式の解の配置 |

3. 2次関数の最大・最小
2次関数の最大・最小は,それほど複雑ではない
2次関数は値が大きくなったり小さくなったりする上,グラフが曲線であるため,1次関数より状況はずっと複雑である.しかし最大・最小を考えるというだけなら,問題となるのは軸を挟んで関数の値が減少から増加に転じたり,その逆に増加から減少に転じたりという点だけである.従って今考えている範囲が軸を含まないなら,1次関数の最大・最小を考えることとさして変わるところはない.
例えば2次関数

グラフを見ると
ということがわかる.よってこの2次関数は
さてここで,定義域を

グラフから一目瞭然,

3.1 2次関数の最大・最小
2次関数の最大・最小にはいくつかのパターンがある
2次関数の最大・最小を考える上で,まず大きく分けて2つの場合がある.一つには定義域に制限がなく実数全体のとき,そしてもう一つには定義域に制限があるときである.後者の場合には更に,軸が含まれるかどうかで場合分けが生じる.
2次関数の最大・最小の大別


定義域に制限がなく実数全体のとき
例題 次の2次関数に最大値,最小値があればそれを求めよ.最大値または最小値をとるときの
(1)
(2)
考え方
2次関数
と変形(平方完成)できたとする.このとき,2次の係数
[1]

グラフは図のように下に凸であるから,頂点の
で最小値- 最大値はない
[2]

で最大値- 最小値はない
こたえ
(1)
(2)

問題1【基本】
次の2次関数に最大値,最小値があればそれを求めよ.最大値または最小値をとるときの
(1)
答えは 演習問題 へ
定義域に制限があるとき
例題 次の2次関数に最大値,最小値があればそれを求めよ.最大値または最小値をとるときの
(1)
(2)
(3)
考え方
2次関数
と変形(平方完成)できたとする.定義域が
[1] 軸が定義域に含まれるとき
グラフは下に凸であるから,頂点の

(or ) で最大値 (or ) で最小値
グラフは上に凸であるから,頂点の
で最大値 (or ) で最小値 (or )
[2] 軸が定義域に含まれない場合
グラフは曲線ではあるものの,右上がりであるか右下がりであるかのどちらかであるから,1次関数の最大・最小を考察する場合とほぼ同じである.つまり区間の両端で,最大・最小となる.

注意
定義域に制限があるときはいつでも最大・最小があるかといえばそういう訳ではない
定義域に制限がある場合でも,最大値や最小値がないときもある.
例1

で最小値0- 最大値はない.(
は4にいくらでも近い値が取れるが,4自体は取れない.)
例2

最大値も最小値もない
こたえ
(1)

答えは
(2)
となるから,グラフは軸が直線

答えは
(3)
となるから,グラフは軸が直線

答えは
また,最小値はない
問題2【基本】
次の2次関数に最大値,最小値があればそれを求めよ.最大値または最小値をとるときの
(1)
(2)
答えは 演習問題 へ

3.2 いくつかの例
代表的な2つの例題を確認しておこう.1つは放物線が動くケース,そしてもう1つは定義域が動くケースである.大抵の場合はこのどちらかであるが,まれに両方とも動くケースも見受けられる.
例題1 [放物線が移動するケース]
2次関数
ポイント
軸が定義域の内か外で場合分け
答