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高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第6章 微分法・積分法

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5. 極大・極小

5.1 極大・極小

 関数 $f(x)$ について,$x=a$ を含むある開区間*(下の (注) 参照)で

\[x\neq a\Rightarrow f(x)<f(a)\]

が成り立つとき,$f(x)$ は $x=a$ で極大になるといい,$f(a)$ を極大値という.

(注) 両端を含まない区間 $\{x|a<x<b\}$ を開区間という.それに対して両端を含む区間 $\{x|a\leqq x\leqq b\}$ を閉区間という.

 似た言葉に最大値というものがあるが,最大値が全体の中で最も大きな値を指すのに対して,極大値は一部分の限られた範囲内で最も大きな値のことを指す.全国大会での優勝者が最大値とすれば,地方大会の優勝者が極大値であるといったイメージである.また全国大会での優勝者は当然地方大会での優勝者でもあるから,定義域が開区間の場合最大値は極大値でもある.しかし逆の「極大値ならば最大値である」は必ずしも言えない.

 最初の説明において「$x=a$ を含むある区間で」という条件,すなわち区間の両端の値を含まない場合を前提としているが,これは区間の両端の値で最大となる場合を排除するためである.例えば $f(x)=x^2$ の $1\leqq x\leqq2$ (閉区間)において,

\[x\neq 2\Longrightarrow f(x)<f(2)(=4)\]

となり,4がこの区間の最大値であるが,この4を指して極大値と言わないようにするためだ.極大とは大雑把に言うとグラフが山の頂上になっているところであり,今の例では $x=2$ でグラフは山の頂上になっていない.

 ここまで極大と極大値について説明してきたが,極小及び極小値についても同様に定義される.

 極大値と極小値をあわせて極値という.

 極大・極小とは,要するにローカルでの最大・最小であるから,極大は必ずしも最大ではないし,極小も必ずしも最小ではない.また極大値より極小値の方が大きい場合もある:

5.2 導関数と極大・極小

 例えば $x=a$ で極大となるとき,グラフがそこで山の頂上になっているのであるから,$x=a$ のごく近くで $x=a$ の左側ではグラフは右上がり,右側では右下がりになっている.グラフが右上がりだと接線の傾きは正となり,右下がりだと接線の傾きは負となる.接線の傾きは導関数の符号で分かるのであるから,関数の極大・極小を次のように定義することもできる:

 関数 $f(x)$ が導関数 $f'(x)$ をもつとき,$f'(x)$ の符号が $x=a$ 前後で
  ① 正から負に変わる
    $\iff x=a$ で極大
  ② 負から正に変わる
    $\iff x=a$ で極小

 図からわかるように,$f(a)$ が極値ならば,点 $(a,f(a))$ における接線の傾きは0となるから次が成り立つ:

極値と微分係数\[f(a)\mbox{が極値}\Longrightarrow f'(a)\!=\!0\]

注意

 この逆は成り立たない.

反例 $f(x)=x^3+1$

\[f'(x)=3x^2\ \ (\geqq 0)\]

 よって,$f'(0)=0$ であるが,$f(0)$ は極値ではない.

例題1 関数 $y=-x^3+3x$ の極値を求め,グラフをかけ.

例題2 関数 $y\!=\!x^3\!-\!3x^2\!-\!6x\!+\!5$ の極値を求めよ.

ポイント
 極値の計算が複雑のとき
  → $f(x)$ を $f'(x)$ で割って \[f(x)=f'(x)Q(x)+R(x)\]     の形に!

5.3 最大・最小

例題1 関数 $y=-x^3+3x^2-20\ (-2\leqq x\leqq 1)$ の最大値と最小値を求めよ.

例題2 関数 $f(x)\!=\!x^3\!-\!6x^2\!+\!9x\!-\!3$ について,$0\!\leqq\! x\!\leqq\! a\ (a$は正の定数)のときの,$f(x)$ の最大値を求めよ.

発展的補足

 一般に,3次関数が極値をもつとき,グラフは図のように凸性の境目である点(変曲点)を中心とする長方形領域内で,縦に等間隔に4分割される.このことを用いれば,$f(x)=4$ となる $x$ は,図より4だとすぐにわかる.(詳しくは3次関数のグラフの特徴 を参照)

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