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高校数学[総目次]
数学Ⅱ 第6章 微分法・積分法
スライド | ノート | |
1. 微分係数 | [無料] | |
2. 導関数 | [無料] | |
3. 接線 | [会員] | |
4. 関数の値の変化 | [会員] | |
5. 極大・極小 | [会員] | |
6. 関数のグラフと方程式・不等式 | [会員] |
7. 不定積分 | [無料] | |
8. 定積分 | [会員] | |
9. 様々な定積分 | [会員] | |
10. 面積 | [会員] |
5. 極大・極小
5.1 極大・極小

関数 $f(x)$ について,$x=a$ を含むある開区間*(下の(注)参照)で
\[x\neq a\Rightarrow f(x)<f(a)\]
が成り立つとき,$f(x)$ は $x=a$ で極大になるといい,$f(a)$ を極大値という.
極小,及び極小値も同様である.
(注) 両端を含まない区間 $\{x|a<x<b\}$ を開区間という.それに対して両端を含む区間 $\{x|a\leqq x\leqq b\}$ を閉区間という.
要するに極大・極小とは,ローカルでの最大・最小であるから,極大値より極小値の方が大きい場合もある:

極大値と極小値をあわせて極値という.
5.2 導関数と極大・極小
関数 $f(x)$ が導関数 $f'(x)$ をもつとき,関数の極大・極小を導関数の符号の変化によって次のように定義することもできる:
$f'(x)$ の符号が $x=a$ 前後で
① 正から負に変わる
$\iff x=a$ で極大
② 負から正に変わる
$\iff x=a$ で極小

図からわかるように,$f(a)$ が極値ならば,点 $(a,f(a))$ における接線の傾きは0となるから次が成り立つ:
極値と微分係数\[f(a)\mbox{が極値}\Rightarrow f'(a)\!=\!0\]
注意
この逆は成り立たない.
反例 $f(x)=x^3+1$
\[f'(x)=3x^2\ \ (\geqq 0)\]

よって,$f'(0)=0$ であるが,$f(0)$ は極値ではない.

例題1 関数 $y=-x^3+3x$ の極値を求め,グラフをかけ.
\[y’=-3x^2+3=-3(x+1)(x-1)\]
$y’=0$ のとき,$x=\pm1$
よって増減表,グラフは次のようになる:

従って,
$\boldsymbol{x=-1}$ で極小値$\boldsymbol{-2}$,
$\boldsymbol{x=1}$ で極大値 $\boldsymbol{2}$
をとる.
例題2 関数 $y\!=\!x^3\!-\!3x^2\!-\!6x\!+\!5$ の極値を求めよ.
ポイント
極値の計算が複雑のとき
→ $f(x)$ を $f'(x)$ で割って \[f(x)=f'(x)Q(x)+R(x)\] の形に!
$f(x)=x^3-3x^2-6x+5$ とおくと, \[f'(x)=3x^2-6x-6=3(x^2-2x-2)\] $g(x)=x^2-2x-2$ とし,$f'(x)=0$ (つまり $g(x)=0$) の2解を $\alpha,\beta$ (ただし $\alpha < \beta$)とおくと,増減表は次のようになる:

ここで,$f(x)=(x-1)g(x)-6x+3$ と変形できるから,
$x=\alpha(=1-\sqrt3)$ のとき \[\begin{align*} f(\alpha)&=(\alpha-1)g(\alpha)-6\alpha+3\\[5pt] &=-6\alpha+3\\[5pt] &=-6(1-\sqrt3)+3\\[5pt] &=6\sqrt3+3 \end{align*}\]
同様に,$f(\beta)=-6\beta+3=-6\sqrt3+3$
以上により,
$x=1-\sqrt3$ で極大値 $6\sqrt3-3$
$x=1+\sqrt3$ で極小値 $-6\sqrt3+3$
補足
例えば,極大値 $f(\alpha)$ を\[f(\alpha)\!=\!(1\!-\!\sqrt3)^3\!-\!3(1\!-\!\sqrt3)^2\!-\!6(1\!-\!\sqrt3)\!+\!5\] という具合に計算すると,エラーが起こりやすい.
5.3 最大・最小
例題1 関数 $y=-x^3+3x^2-20\ (-2\leqq x\leqq 1)$ の最大値と最小値を求めよ.
こたえ
$y’=-3x^2+6x=-3x(x-2)$
$y’=0$ のとき,$x=0,2$.
よって増減表は次のようになる:

増減表より
$x=-2$ のとき,最大値0
$x=0$ のとき,最小値$-20$
例題2 関数 $f(x)\!=\!x^3\!-\!6x^2\!+\!9x\!-\!3$ について,$0\!\leqq\! x\!\leqq\! a\ (a$は正の定数)のときの,$f(x)$ の最大値を求めよ.
\[\begin{align*} f'(x)&=3x^2-12x+9\\[5pt] &=3(x^2-4x+3)\\[5pt] &=3(x-1)(x-3) \end{align*}\]
$f'(x)=0$ のとき,$x=1,3$
よって増減表は次のようになる:

また,$f(x)=1$ のとき, \[\begin{align*} x^3-6x^2+9x-3&=1\\[5pt] x^3-6x-2+9x-4&=0\\[5pt] (x-1)^2(x-4)&=0\\[5pt] \therefore x&=1,4 \end{align*}\]
よって $f(x)$ のグラフは次のようになる:

図より最大値は,
$\boldsymbol{0\!<\!a\!<\!1,4\!<\!a}$ のとき,$\boldsymbol{f(a)\!=\!a^3\!-\!6a^2\!+\!9a\!-\!3}$
$\boldsymbol{1\leqq a\leqq 4}$ のとき,$\boldsymbol{f(1)=1}$
補足
一般に,3次関数が極値をもつとき,グラフは図のように凸性の境目である点(変曲点)を中心とする長方形領域内で,縦に等間隔に4分割される.このことを用いれば,$f(x)=4$ となる $x$ は,図より4だとすぐにわかる.(詳しくは3次関数のグラフの特徴を参照)

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