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高校数学[総目次]

数学Ⅱ 第6章 微分法・積分法

  スライド ノート 問題
1. 微分係数      
2. 導関数      
3. 接線      
4. 関数の値の変化      
5. 極大・極小      
6. 関数のグラフと方程式・不等式      
7. 不定積分      
8. 定積分      
9. 様々な定積分      
10. 面積      

8. 定積分

8.1 定積分

 F(x)f(x)=2x+1 の不定積分とすると, F(x)=f(x)dx=x2+x+C  ここで例えば, F(3)F(1)=(32+3+C)(12+1+C)=10積分定数 C によらない値となる.

 一般に,関数 f(x) の不定積分を F(x) とするとき,F(b)F(a) は積分定数 C によらない値となる.この F(b)F(a) を関数 f(x)a から b までの定積分といい, abf(x)dx で表す.また,F(b)F(a)[F(x)]ab とも書く:

定積分 関数f(x)の不定積分の1つをF(x)とするとき,abf(x)dx=[F(x)]ab=F(b)F(a)

補足1

 abf(x)dx について,a を積分区間の下端b を積分区間の上端という.

補足2

 a<b,a=b,a>b のいずれの場合でも abf(x)dx は意味を持つ.

21(x2x+1)dx=[x33x22+x]21={(1)33(1)22+(1)}(233222+2)=11683=92

8.2 定積分の性質

定積分の性質1[1] abkf(x)dx=kabf(x)dx (kは定数)[2] ab{f(x)+g(x)}dx=abf(x)dx+abg(x)dx

証明

 f(x),g(x) の不定積分の1つをそれぞれ F(x),G(x) とする.

[1]

abkf(x)dx=[kF(x)]ab=kF(b)kF(a)=k{F(b)F(a)}=kabf(x)dx

[2]

ab{f(x)+g(x)}dx=[F(x)+G(x)]ab={F(b)+G(b)}{F(a)+G(a)}={F(b)F(a)}+{G(b)G(a)}=abf(x)dx+abg(x)dx

例1

132xdx=213xdx  (性質[1])=2[x22]13=232122=8

例2

12(x2x+1)dx=12x2dx12xdx+12dx  (性質[2])=[x33]12[x22]12+[x]12=23(1)3322(1)22+{2(1)}=332+3=92

定積分の性質2[3] aaf(x)dx=0[4] baf(x)dx=abf(x)dx[5] abf(x)dx=acf(x)dx+cbf(x)dx

証明

 f(x) の不定積分の1つを F(x) とする.

[3]

aaf(x)dx=[F(x)]aa=F(a)F(a)=0

[4]

baf(x)dx=[F(x)]ba=F(a)F(b)={F(b)F(a)}=abf(x)dx

[5]

(右辺)=[F(x)]ac+[F(x)]cb={F(c)F(a)}+{F(b)F(c)}=F(b)F(a)=abf(x)dx=(左辺)

21xdx31xdx=21xdx+13xdx  (性質[4])=23xdx  (性質[5])=[x22]23=52

8.3 定積分を含む関数

例題 f(x)=x23x+02f(t)dt のとき,f(x) を求めよ.

ポイント
 式中の定積分を a (定数)とおいて,定積分を含まぬ形にする.
 ↓
 a とおいた定積分を計算.

  02f(t)dta (定数)とおくと,

f(x)=x23x+a  

(一見,積分を含んだいかめしい形の与式は,単なる2次関数であったのだ.)

 a とおいた定積分を計算すると, a=02f(t)dt=02(t23t+a)dt  ()=[t3332t2+at]02=836+2a=103+2a

 従って,

a=103+2aa=103  よって①より, f(x)=x23x+103

注意

 例えば,f(x)=x2+01xtf(t)dt のとき,

01xtf(t)dt=a (定数)とおく.

としてはいけない.何故なら x=p のとき f(x)f(p)=p2+01ptf(t)dt となるが,01ptf(t)dt の部分は x の値 p によって変化し,定数ではないからである.このような場合の対処法は,積分変数 t 以外の文字は定数とみなして

f(x)=x2+x01tf(t)dt

x を定積分の前に出し,

01tf(t)dt=a (定数)とおく.

とするのである.

8.4 定積分と微分法

例題 ddx1x(2t+3)dt を計算せよ.

ddxf(x) のような表記の意味についてはこちら

1x(2t+3)dt=[t2+3t]1x=x2+3x4

 よって,1x(2t+3)dtx の2次関数である.この関数を x で微分するのであるから,

ddx1x(2t+3)dt=ddx(x2+3x4)=2x+3

 これは,1x(2t+3)dt の被積分関数 2t+3tx に置き換えたものである.

 一般に次が成り立つ:

ddxaxf(t)dt=f(x)  (aは定数)

証明

 f(x) の不定積分の1つを F(x) とする.(即ち,F(x)=f(x) )

axf(t)dt=[F(t)]ax=F(x)F(a)

 よって,

ddxaxf(t)dt=ddx{F(x)F(a)}=ddxF(x)ddxF(a)=f(x)

補足

① axf(t)dt は微分すると f(x) になるから,f(x) の1つの不定積分である.

② axf(t)dtx=a のとき, aaf(t)dt=0  (性質3)

③ 上の証明から a は定数であればどんな値でもよい.

例題 等式 axf(t)dt=x23x+a を満たす関数 f(x)a の値を求めよ.

 与式の両辺を微分すると

ddxaxf(t)dt=ddx(x23x+a)

f(x)=2x3

 また,与式の両辺の xa とおくと,

aaf(t)dt=a23a+a=a22a=a(a2)0=a(a2)

a=0,2

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8. 定積分      
9. 様々な定積分      
10. 面積