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高校数学ノート[総目次]

数学Ⅲ 第3章 積分法

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1. 不定積分 [無料]  
2. 置換積分法(不定積分) [無料]  
3. 部分積分法(不定積分) [無料]  
4. 定積分とその性質 [会員]  
5. 置換積分法(定積分) [会員]  
6. 部分積分法(定積分) [会員]  
7. 定積分と微分法 [会員]  
8. 定積分と和の極限 [会員]  
9. 定積分と不等式 [会員]  
10. 定積分の応用(面積) [会員]  
11. 定積分の応用(体積) [会員]  
12. 定積分の応用(回転体の体積) [会員]  

2.置換積分法(不定積分)

2.1 $\displaystyle\int\!f(ax+b)dx$ の計算

 $F(x)$ を関数 $f(x)$ の不定積分の1つとする.$\bigl(F'(x)=f(x)\bigr)$
 このとき, \[\{F(ax+b)\}’=F'(ax+b)\cdot a=af(ax+b)\] \[\therefore f(ax+b)=\left\{\frac1aF(ax+b)\right\}’\]  よって,$\dfrac1aF(ax+b)$ は $f(ax+b)$ の不定積分であるから次が成り立つ:

\[ \int\!f(ax+b)dx=\frac1aF(ax+b)+C\ \cdots(*)\]

補足

 $ax+b=u$ とおくと,$(*)$ は \[\int\!f(u)dx=\frac1{u’}F(u)+C\]

・$\displaystyle\int\!(ax+b)^kdx$

 $\left\{\begin{array}{l} f(u)=u^k\\ u=ax+b \end{array}\right.$ とおくと, \[\begin{align*} \mbox{与式}&=\frac1{u’}\cdot F(u)+C\\[5pt] &=\frac1a\cdot\frac{u^{k+1}}{k+1}+C\\[5pt] &=\underline{\frac1{a(k+1)}(ax+b)^{k+1}+C} \end{align*}\]

\[\int\!(ax+b)^kdx=\frac1{a(k+1)}(ax+b)^{k+1}+C\]

・$\displaystyle\int\!\cos(2x+3)dx$

 $\left\{\begin{array}{l} f(u)=\cos u\\ u=2x+3 \end{array}\right.$ とおくと, \[\begin{align*} \mbox{与式}&=\frac1{u’}\cdot F(u)+C\\[5pt] &=\frac12\sin u+C\\[5pt] &=\underline{\frac12\sin(2x+3)+C} \end{align*}\]

・$\displaystyle\int\!2e^{-3x+4}dx$

 $\left\{\begin{array}{l} f(u)=2e^u\\ u=-3x+4 \end{array}\right.$とおくと, \[\begin{align*} \mbox{与式}&=\frac1{u’}\cdot F(u)+C\\[5pt] &=\frac1{-3} 2e^u+C\\[5pt] &=\underline{-\frac23 e^{-3x+4}+C} \end{align*}\]

2.2 置換積分法

例題 次の不定積分を求めよ. \[y=\int\!\sqrt x\,dx\ \ \cdots\mbox{①}\]

やり方その1

\[y=\int\!x^{\frac12}dx=\frac23x^{\frac32}+C=\underline{\frac23x\sqrt x+C}\]

やり方その2

 $\sqrt x=t\ \cdots$② とおく.このとき \[x=t^2\ \therefore\dfrac{dx}{dt}=2t\ \cdots\mbox{③}\] である.合成関数の導関数により, \[\begin{align*} \frac{dy}{dt}&=\frac{dy}{dx}\cdot\frac{dx}{dt}\\[5pt] &=\sqrt x\cdot 2t\ \ \ (\because \mbox{①,③})\\[5pt] &=t\cdot 2t\ \ \ (\because \mbox{②}) \end{align*}\] \[\therefore \frac{dy}{dt}=t\cdot2t\]  これは「$y$ を $t$ で微分すると $t\cdot2t$ になる」ことを意味するから, \[\begin{align*} y&=\int\!t\cdot2t\,dt\ \cdots\mbox{④}\\[5pt] &=\frac23t^3+C\\[5pt] &=\underline{\frac23x\sqrt x+C}\ \ \ (\because\mbox{②}) \end{align*}\]

 さて,①と④を比較してみよう:

\[\begin{align*} &y=\int\!\sqrt x\,dx\ \ \cdots\mbox{①}\\[5pt] &y=\int t\cdot2tdt\ \ \cdots\mbox{④} \end{align*}\]

 ④は①に②を代入し,③を形式的に(つまり $\dfrac{dy}{dt}$ を分数とみなして)$dx=2tdt$ と変形し,①に代入したものとなっている.

2.3 置換積分法の公式(Ⅰ)

 一般に $y=\displaystyle\int\!f(x)dx$ において,$x$ が微分可能な $t$ の関数 $g(t)$ で $x=g(t)$ と表されているとすると, \[\frac{dy}{dx}=\frac{dy}{dx}\cdot\frac{dx}{dt}=f(x)g'(t)=f(g(t))g'(t)\]  これは「$y$ を $t$ で微分すると $f(g(t))g'(t)$ になる」ことを意味するから, \[y=\int\!f(g(t))g'(t)\,dt\]  一方,$y=\displaystyle\int\!f(x)dx$ であったから次を得る:

置換積分法の公式(I) \[ \int \!\! f(x)dx=\int\!\! f\bigl(g(t)\bigr)g'(t)\,dt\ \ \ (\mbox{ただし,}x=g(t)\ )\]

注意

 上の例からわかるように,一般には $\sqrt x=t$ とおいたとき, \[\int\!\sqrt x\,dx=\int\!t\,dt\] にはならない.( $g'(t)$ が付け加わる.)

補足

① 上の例で $\sqrt x=t$ とおいたように,実際には $x=g(t)$ とおくよりも,$h(x)=t$ のようにすることが多い.
② 置換積分法の公式(Ⅰ)をみると, \[\begin{align*} y&=\int\!f(x)\ \underline{dx}\\[5pt] &=\int\!f(x)\,\underline{g'(t)dt} \end{align*}\] であり,$dx$ が $g'(t)dt$ に置き換わっただけだが,これは $x=g(t)$ の両辺を $t$ で微分して $\dfrac{dx}{dt}=g'(t)$ としたものを形式的に $dx=g'(t)dt$ として代入したものとなっている.

2.4 置換積分法の公式(Ⅱ)

 置換積分法の公式(Ⅰ)において,左辺と右辺を入れ替え,更に $x$ と $t$ も入れ替えると,次の公式が得られる:

置換積分法の公式(II) \[ \int\!\! f\bigl( g(x) \bigr)g'(x)dx=\int\!\! f(t)dt\ \ \ (\mbox{ただし,}g(x)=t) \]

 (要は被積分関数が $f(g(x))g'(x)$ の形になっていることをいかに見抜くかである.)

例1

$\displaystyle\int\!\sin^2x\cos x\,dx=\int\!\sin^2x\cdot(\sin x)’\,dx\ \ \cdots$ ①

 ここで, $\left\{\begin{array}{l} f(t)=t^2\\ t=\sin x(\,=g(x)\,) \end{array}\right.$ とみると, \[\begin{align*} \mbox{①}&=\int\!f(t)\,dt\\[5pt] &=\int\!t^2\,dt\\[5pt] &=\frac13t^3+C\\[5pt] &=\underline{\frac13\sin^3x+C} \end{align*}\]

例2

$\displaystyle\int\!\frac{\log x}x dx=\int\!\log x\cdot(\log x)’\,dx\ \ \cdots$ ②

 ここで, $\left\{\begin{array}{l} f(t)=t\\ t=\log x(\,=g(x)\,) \end{array}\right.$ とみると, \[\begin{align*} \mbox{②}&=\int\!f(t)\,dt\\[5pt] &=\int\!t\,dt\\[5pt] &=\frac12t^2+C\\[5pt] &=\underline{\frac12(\log x)^2+C} \end{align*}\]

2.5 $\displaystyle\int\!\frac{g'(x)}{g(x)}dx$ の積分

 置換積分法の公式(Ⅱ)において,特に $f(t)=\dfrac1t$ のときは, \[\begin{align*} \int\!\frac{g'(x)}{g(x)}dx&=\int\!\frac{dt}t\\[5pt] &=\log|t|+C\\[5pt] &=\log|g(x)|+C \end{align*}\] となるから,次を得る:

\[\int\!\frac{g'(x)}{g(x)}dx=\log|g(x)|+C\]
例1

\[\begin{align*} \int\!\frac{2x+1}{x^2+x+1}dx&=\frac{(x^2+x+1)’}{x^2+x+1}dx\\[5pt] &=\log|x^2+x+1|+C\\[5pt] &=\underline{\log(x^2+x+1)+C} \end{align*}\] \[\left(\because x^2+x+1=\left(x+\frac12\right)^2+\frac34>0\right)\]

例2

\[\begin{align*} \int\!\tan x\,dx&=\frac{\sin x}{\cos x}dx\\[5pt] &=-\int\!\frac{(\cos x)’}{\cos x}dx\\[5pt] &=\underline{-\log|\cos x|+C} \end{align*}\]

補足

 三角関数の不定積分が出揃ったので,まとめると次のようになる:

三角関数の不定積分 \[\begin{align*} \int\!\sin x\,dx&=-\cos x+C\\[5pt] \int\!\cos x\,dx&=\sin x+C\\[5pt] \int\!\tan x\,dx&=-\log|\cos x| +C \end{align*}\]


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