1.方べきの定理

方べきの定理
 下の図の①~③について,次が成り立つ:
①弦が交点をもつとき
②弦の延長上に交点があるとき
\[\begin{array}{cll} \mbox{①},\mbox{②}&:&4\mbox{点A,B,C,Dが同一円周上}\\[5pt] &&\Rightarrow{\rm PA}\cdot{\rm PB}={\rm PC}\cdot{\rm PD} \end{array}\]
③Tが円の接点のとき
③:PTが△ABTの外接円の接線
(従ってTは接点)
\[\Rightarrow{\rm PA}\cdot{\rm PB}={\rm PT}^2\]
証明の方針

 三角形の相似を示す.
   ↓
 「対応する辺の比は等しい」を利用.

証明

①,②

①弦が交点をもつとき
②弦の延長上に交点があるとき

 △PAC∽△PDB(∵2角相等)より \[{\rm PA}:{\rm PD}={\rm PC}:{\rm PB}\] \[\therefore {\rm PA}\cdot{\rm PB}={\rm PC}\cdot{\rm PD}\]

③Tが円の接点のとき

 △PATと△PTBについて,∠Pは共通,接弦定理により∠PTA$=$∠PBTであるから,△PAT∽△PTB (2角相等).よって, \[{\rm PA}:{\rm PT}={\rm PT}:{\rm PB}\] \[\therefore {\rm PA}\cdot{\rm PB}={\rm PT}^2\]

2.方べきの定理の逆

方べきの定理の逆
下の図の①~③について,次が成り立つ:
①ABとCDが交点をもつとき
②AB,CDの延長上に交点があるとき
\[\begin{array}{cll} \mbox{①},\mbox{②}&:&{\rm PA}\cdot{\rm PB}={\rm PC}\cdot{\rm PD}\\[5pt] &&\Rightarrow 4\mbox{点A,B,C,Dは同一円周上} \end{array}\]
\[\begin{array}{cll} \mbox{③}&:&{\rm PA}\cdot{\rm PB}={\rm PT}^2\\[5pt] &&\Rightarrow {\rm PT}\mbox{は}\triangle{\rm ABT}\mbox{の外接円の接線}\\ &&\hspace{10mm}(\mbox{従って}{\rm T}\mbox{は接点}) \end{array}\]
証明の方針

①と②
 △ABCの外接円と半直線PDの交点D’をとる.
   ↓
 DとD’が一致することを示す.


 三角形の相似を示す.
   ↓
 接弦定理の逆を利用.

証明

①,②

 △ABCの外接円と半直線PDとの交点をD’とする.

 方べきの定理により

PA $\cdot$ PB $=$ PC $\cdot$ PD’

 また仮定より

PA $\cdot$ PB $=$ PC $\cdot$ PD

 従ってPD’$=$PDであるから,半直線PD上の2点DとD’は一致する.
 よって,4点A,B,C,Dは同一円周上にある.

 △PTAと△PBTにおいて,

∠Pは共通 $\cdots$ ①

 仮定よりPA $\cdot$ PB $=$ PT$^2$であるから,

$\dfrac{\rm PA}{\rm PT}=\dfrac{\rm PT}{\rm PB}$

 よって,

PA:PT $=$ PT:PB $\cdots$ ②

 ①,②より,△PTA∽△PBT(∵2辺比夾角相等).

 従って∠PTA $=$ ∠PBTとなるから,接弦定理の逆により,直線PTは円の接線である.