1.円の内部・外部

定理
 2点C,Pが直線ABについて同じ側にあるとする.
 図において,弧ABに対する円周角ACBと∠APBについて,
 [1] 点Pが円の内部 $\iff\angle{\rm ACB}<\angle {\rm APB}$
 [2] 点Pが円の外部 $\iff\angle{\rm ACB}>\angle {\rm APB}$

証明の方針

まず「$\Rightarrow$」だけを示す.その際,半直線APと円との交点Qをとり,円周角の定理を利用.

証明

まず「$\Rightarrow$」を示す.

[1] 点Pが円の内部 $\Rightarrow\angle{\rm ACB}<\angle {\rm APB}$ を示す

 図のように半直線APと円との交点をQとする.△BPQの内角と外角の関係により \[\begin{align*} \angle{\rm APB}&=\angle {\rm PQB}+\angle {\rm QBP}\\[5pt] &>\angle {\rm PQB}\\[5pt] &=\angle {\rm AQB}\\[5pt] &=\angle {\rm ACB}\ \ (\because \mbox{円周角の定理}) \end{align*}\] \[\therefore \angle{\rm ACB}<\angle {\rm APB}\]

[2] 点Qが円の外部 $\Rightarrow\angle{\rm ACB}>\angle {\rm APB}$ を示す

1° 半直線APまたはBPが円と交わるとき

 図のようにAPと円との交点をQとする.△BPQの内角と外角の関係により \[\begin{align*} \angle{\rm AQB}&=\angle {\rm QPB}+\angle {\rm PBQ}\\[5pt] &>\angle {\rm QPB}\\[5pt] &=\angle {\rm APB}\\[5pt] \end{align*}\] \[\therefore \angle{\rm AQB}>\angle{\rm APB}\]  円周角の定理により$\angle{\rm AQB}=\angle{\rm ACB}$であるから \[\angle{\rm ACB}>\angle{\rm APB}\]

2° 半直線APもBPも円と交わらないとき

 図のように半直線ACとBPの交点をQとすると,三角形の内角と外角の関係により \[\angle{\rm APB}<\angle{\rm AQB}<\angle{\rm ACB}\] \[\therefore\angle{\rm ACB}>\angle{\rm APB}\] となる.

 よって「$\Rightarrow$」が示された.

次に「$\Leftarrow$」を示す.

[1] 点Qが円の内部 $\Leftarrow\angle{\rm ACB}<\angle {\rm APB}$ を示す

 点Qは円の内部にあるか,外部にあるか,円周上にあるかのいずれかである.
 $\angle{\rm ACB}<\angle {\rm APB}$のとき,点Pが円の外部にあるとすれば,先に示した「$\Rightarrow$」により$\angle{\rm ACB}>\angle {\rm APB}$となるから矛盾.
 また,点Pが円周上にあるとすれば,円周角の定理により$\angle{\rm ACB}=\angle {\rm APB}$となるから矛盾.
 従って点Qは円の内部にある.

[2] 点Qが円の外部 $\Leftarrow\angle{\rm ACB}>\angle {\rm APB}$ を示す

 点Qは円の内部にあるか,外部にあるか,円周上にあるかのいずれかである.
 $\angle{\rm ACB}>\angle {\rm APB}$のとき,点Pが円の内部にあるとすれば,先に示した「$\Rightarrow$」により$\angle{\rm ACB}<\angle {\rm APB}$となるから矛盾.
 また,点Pが円周上にあるとすれば,円周角の定理により$\angle{\rm ACB}=\angle {\rm APB}$となるから矛盾.
 従って点Qは円の内部にある.

 よって「$\Leftarrow$」が示された.

 以上により「$\iff$」が示された.

2.円周角の定理の逆

 先に議論した円の内部・外部の関係から,次の「円周角の定理の逆」が成り立つ:

円周角の定理の逆
 2点C,Pが直線ABについて同じ側にあるとする.このとき,∠ACB$=$∠APBならば,4点A,B,C,Pは同一円周上にある.

証明

 点Pは△ABCの外接円の周上にあるか,そうでないかのいずれかであるが,上の定理により, \[\angle{\rm ACB}\!\neq\!\angle{\rm APB}\iff\mbox{点Pは△ABCの外接円の周上にない}\] であるから,∠ACB$=$∠APBならば,点Pは△ABCの外接円の周上にある.よって4点A,B,C,Pは同一円周上にある.