ベクトルの成分｜有向線分以外で表す方法(和・差・実数倍)をスライドでやさしく解説

このページにある内容は，こちらのスライド でわかり易く説明しています．

PC環境なら全画面表示でより見やすく，よりわかりやすい！
全画面表示の仕方は こちら

数学B　第1章　ベクトル

	スライド	ノート	問題
1. ベクトルと有向線分
2. ベクトルの演算
3. ベクトルの成分
4. ベクトルの内積
5. 位置ベクトル
6. ベクトル方程式
7. 平面ベクトルの応用
8. 空間ベクトル
9. 空間ベクトルの成分
10. 空間ベクトルの内積
11. 空間の位置ベクトル
12. 空間ベクトルの応用
13. 空間のベクトル方程式

3. ベクトルの成分

3.1　ベクトルの成分表示

目標

ベクトルを有向線分以外の方法で表す．

アイデア

　座標平面に有向線分(矢印)を配置する．

座標平面上の原点を始点とするベクトルで，終点が点 $(1, 0)$ の $\vec{e_{1}}$ と，点 $(0, 1)$ の $\vec{e_{2}}$ の2つを用意．
有向線分の始点が原点にくるよう平行移動．
終点の座標を $(a_{1}, a_{2})$ とすれば， $\vec{a} = a_{1} \vec{e_{1}} + a_{2} \vec{e_{2}}$

　つまり，常に始点を原点にとれば，

ベクトル　←1対1対応→　終点の座標

　そこで， $\vec{a} = (a_{1}, a_{2})$ で表し，ベクトルの成分表示という．

　成分表示されたベクトルに対して，相等と大きさは次のようになる：

ベクトルの成分表示　 $\vec{a} = (a_{1}, a_{2})$ ， $\vec{b} = (b_{1}, b_{2})$ のとき， $\vec{a} = \vec{b} ⟺ a_{1} = b_{1} かつ a_{2} = b_{2}$ $| \vec{a} | = \sqrt{{a_{1}}^{2} + {a_{2}}^{2}}$

補足

　 $\vec{a} = (k a_{1}, k a_{2})$ のとき，

$| \vec{a} | = | k | \sqrt{{a_{1}}^{2} + {a_{2}}^{2}}$

注意

　成分表示における等号「 $=$ 」は必ず．
　 $\vec{a} (a_{1}, a_{2})$ といった点の座標のようには書かない．

3.2　成分表示の和，差，実数倍

　 $\vec{a} = (2, 1)$ ， $\vec{b} = (1, 3)$ ， $\vec{a} + \vec{b}$ を $\vec{c}$ とおくと，図より $\vec{c} = (3, 4)$ 一方， $\begin{aligned} \vec{c} & = \vec{a} + \vec{b} \\ = (2, 1) + (1, 3) \end{aligned}$ であるから， $(2, 1) + (1, 3) = (2 + 1, 1 + 3)$ が成り立つ．
　また， $2 \vec{a}$ を $\vec{d}$ とおくと，図より $\vec{d} = (4, 2)$ 　一方， $\vec{d} = 2 \vec{a} = 2 (2, 1)$ であるから， $2 (2, 1) = (2 \cdot 2, 2 \cdot 1)$ が成り立つ．

　一般に次が成り立つ：

成分表示の和，差，実数倍 $\begin{aligned} [1] (a_{1}, a_{2}) + (b_{1}, b_{2}) = (a_{1} + b_{1}, a_{2} + b_{2}) \\ [2] k (a_{1}, a_{2}) = (k a_{1}, k a_{2}) (k は実数) \end{aligned}$

証明

　 $\vec{a} = (a_{1}, a_{2})$ ， $\vec{b} = (b_{1}, b_{2})$ は， $\vec{e_{1}} = (1, 0)$ ， $\vec{e_{2}} = (0, 1)$ を用いて， $\begin{aligned} \vec{a} = a_{1} \vec{e_{1}} + a_{2} \vec{e_{2}} \\ \vec{b} = b_{1} \vec{e_{1}} + b_{2} \vec{e_{2}} \end{aligned}$ と表されるから， $\begin{aligned} \vec{a} + \vec{b} & = (a_{1} + b_{1}) \vec{e_{1}} + (a_{2} + b_{2}) \vec{e_{2}} \\ = (a_{1} + b_{1}, a_{2} + b_{2}) \\ \vec{a} - \vec{b} & = (a_{1} - b_{1}) \vec{e_{1}} + (a_{2} - b_{2}) \vec{e_{2}} \\ = (a_{1} - b_{1}, a_{2} - b_{2}) \\ k \vec{a} & = k a_{1} \vec{e_{1}} + k a_{2} \vec{e_{2}} \\ = (k a_{1}, k a_{2}) \end{aligned}$

■

このページで疑問は解決されましたか？

　こちら から数学に関するご質問・ご要望をお寄せください。

高校数学[総目次]