高校数学[総目次]

数学A 第3章 図形の性質

第3章 図形の性質

  スライド ノート 問題
1. チェバの定理      
2. メネラウスの定理      
3. チェバの定理の逆      
4. メネラウスの定理の逆      
5. 円に内接する四角形      
6. 接弦定理とその逆      
7. 方べきの定理とその逆      
8. 三角形の五心      
  重心      
  外心      
  垂心      
  内心      
  傍心      

中学校の範囲
  スライド ノート 問題
1. 円周角の定理      
2. 円周角の定理の逆      

 三角形には五心(ごしん)と呼ばれるものが存在する.重心,外心,垂心,内心,傍心の5つである.これらはそれぞれある点を指しており,どんな三角形にもこの五心と呼ばれる5つの点がすべて存在する.まずは重心から見ていくとしよう.

1.中線とは

 重心とは何かを述べるには,三角形の中線と呼ばれる線分を導入しておかねばならない.

 三角形の頂点と,その頂点に対応する辺の中点とを結んだ線分を中線(ちゅうせん)という.三角形には3本の中線がある.

2.重心

 2本の直線は平行でなければ必ず1点で交わる.ところがここにもう1本追加して3本の直線を考えると,必ずしも1点で交わるとは限らない.

3本目(赤色)を追加すると,3直線が1点で交わるとは限らない.

 ところが三角形においてはその形状にかかわらず,いつでも例外なく3本の中線が1点で交わるというのである.

定理
 三角形の3本の中線は1点で交わり,その点は各中線を2:1に内分する.
アニメーション
3本の中線が1点で交わる

補足

 3中線の交点を,三角形の重心という.

証明の方針
  • この証明に使う道具は,中点連結定理平行線と線分の比の関係
  • 3本の中線から2本組を選びその交点をG,別の組の交点をG とする.GとG が一致することを示す.
     ↓どうやって?
    中点連結定理を用いて,AG:GLとAG:GLが共に2:1であることを示す.

証明

 △ABCにおいて,辺BC,CA,ABの中点をそれぞれL,M,Nとし,
   中線ALとBMの交点をG
   中線ALとCNの交点をG
とする.

ALとBMの交点がG
ALとCNの交点がG
まずGについて

 M,Lはそれぞれ辺CA,CBの中点だから,△CABにおいて中点連結定理により,

ML//AB, ML=12AB

 よって,

AG:GL=AB:ML=2:1  

次にG について

 N,Lはそれぞれ辺BA,BCの中点だから,△BACにおいて中点連結定理により,

NL//AC, NL=12AC

 よって,

AG:GL=AC:NL=2:1  

 ①,②より,AG:GL=AG:GL であり,GとG はともに中線AL上にあるからこれら2点は同じ点である.よって3つの中線は1点で交わり

 同様にして,BG:GM=2:1,CG:GN=2:1も示される.

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4. メネラウスの定理の逆      
5. 円に内接する四角形      
6. 接弦定理とその逆      
7. 方べきの定理とその逆      
8. 三角形の五心      
  重心      
  外心      
  垂心      
  内心      
  傍心      

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2. 円周角の定理の逆